妊活で生理中からできることとは?妊娠しやすい体をつくる過ごし方

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妊活は、生理が終わってから始めるものと考えている方もいるかもしれません。
しかし、実は生理中から妊娠しやすい体づくりのためにできることは多くあります。
この時期は、次の排卵に向けて体が準備を始める大切な期間です。

生理中の過ごし方を見直すことは、未来の妊娠に向けた重要な第一歩となります。
この記事では、生理中にやることを含め、妊娠しやすい体をつくるための具体的な過ごし方を紹介します。

妊活の成功は生理中の過ごし方から!その理由とは

妊活において生理期間は、単に体がリセットされる時期というだけではありません。
次の周期に向けて新たな卵子が育ち始め、子宮内が次の妊娠の準備を始める重要なスタート地点です。
この時期の過ごし方が、卵子の質や子宮環境に影響を与える可能性があります。

そのため、生理中から体を整えることは、妊娠しやすい体質の土台を作る上で非常に意味があります。
心身を労わりながら、次のチャンスに向けて適切なやることを見つけることが大切です。

生理中の女性の体内で起きている2つの変化

生理中の体は、妊娠が成立しなかった場合に体をリセットし、次の妊娠に備えるための準備期間に入ります。
この時期には、主に2つの大きな変化が起きています。
1つは、古くなった子宮内膜を体外へ排出することです。

もう1つは、脳からの指令によって、次の排卵に備えて新しい卵子の元となる原始卵胞が成長を始めることです。
これらの変化を理解し、それぞれに適したやることを見つけるのが、妊娠しやすい体づくりにつながります。

次の排卵に向けて新しい卵子が育ち始める

生理が始まると、脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、卵巣内にある原始卵胞のうち、いくつかが成長を始めます。
この中から最も発育が進んだ主席卵胞が、約2週間後の排卵に向けて成熟していきます。

つまり、生理期間は次の妊娠の可能性を秘めた卵子が育ち始める、非常に重要な時期です。
この期間に栄養バランスの取れた食事や質の良い睡眠を心がけるといったことが、卵子の質を高めるための基礎となります。
生理痛などで体調が優れない時期ではありますが、体を労わりながら次の周期への準備を始める意識が求められます。

古くなった子宮内膜が剥がれ落ちてリセットされる

妊娠が成立しなかった場合、受精卵のベッドとなるはずだった子宮内膜は不要になり、剥がれ落ちて血液とともに体外へ排出されます。これが月経血です。
このプロセスにより子宮内は一度リセットされ、次の排卵後に再び厚くフカフカな状態になり、受精卵が着床しやすい環境を整えます。

この排出がスムーズに行われることは、子宮の健康を保つ上で重要です。
体を温めて血行を促進するなど、デトックスを助けるようなことが、子宮環境を整える手助けとなります。
古くなったものを適切に排出し、新しい周期に備えるための大切な期間です。

妊娠しやすい体づくり!生理中に実践したい5つのこと

生理期間は心身ともにデリケートな時期ですが、この時期の過ごし方こそが妊娠しやすい体づくりの鍵を握ります。
体を温めて血行を良くすることや、栄養バランスを考えた食事、ストレスケアなど、意識的に取り組みたいやることがあります。

ここでは、生理中に実践したい5つの具体的な過ごし方を紹介します。
無理のない範囲で生活に取り入れ、次の周期に向けて体を整えていきましょう。

お腹や腰回りを温めて子宮の血流を良くする

生理中に体を温めることは、妊娠しやすい体づくりにおいて基本となることです。
特にお腹や腰回りを温めることで、子宮や卵巣への血流が促進されます。
血流が良くなると、子宮内膜の排出がスムーズに進むだけでなく、卵巣に十分な栄養や酸素が届きやすくなり、良質な卵子を育む環境が整います。

腹巻きやカイロを活用したり、ゆっくり湯船に浸かったりするのが効果的です。
また、温かい飲み物を選んで、体の内側からも冷えを防ぐ意識を持つことが推奨されます。
血行不良は生理痛の原因にもなるため、温めることは不調の緩和にも役立ちます。

鉄分やビタミンEなど栄養バランスの取れた食事を心がける

生理中は経血とともに多くの鉄分が失われるため、食事から意識的に補給することが重要です。
鉄分は血液の材料となり、全身に酸素を運ぶ役割を担うため、不足すると貧血や疲労感につながります。
レバーや赤身肉、ほうれん草などを食事に取り入れましょう。

また、血行を促進する作用があるビタミンEも積極的に摂取したい栄養素です。
ナッツ類やかぼちゃ、アボカドに多く含まれています。
これらの栄養素だけでなく、タンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良く摂ることで、ホルモンバランスが整い、健康な卵子や子宮内膜を育む基盤が作られます。

リラックスできる時間を作りストレスを溜めない

ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。
特に生理中は心身がデリケートになりやすいため、意識的にリラックスできる時間を作ることが大切です。
好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、温かいハーブティーを飲んだりと、自分が心から落ち着ける方法を見つけましょう。
深呼吸をするだけでも、副交感神経が優位になりリラックス効果が期待できます。

ストレスを溜め込まずに上手に発散させることは、血流を改善し、子宮や卵巣が正常に機能するための環境を整える上で欠かせません。

軽いストレッチやウォーキングで血行を促進する

生理中は安静に過ごすべきと思いがちですが、体に負担のかからない程度の軽い運動は、むしろ血行を促進し、生理痛の緩和や気分のリフレッシュに役立ちます。
激しい運動は避けるべきですが、股関節周りのストレッチや、ゆっくりとしたウォーキングは、骨盤内の血流を良くする効果が期待できます。
血流が改善されることで、子宮や卵巣に新鮮な血液が届きやすくなります。

無理のない範囲で体を動かすことが、滞りがちな血の巡りをスムーズにし、心身のコンディションを整えるのに有効です。
自分の体調と相談しながら、心地よいと感じる程度の運動を取り入れてみてください。

ホルモンバランスを整えるために十分な睡眠時間を確保する

睡眠は、体を休ませるだけでなく、ホルモンバランスを整える上で非常に重要な役割を果たします。
睡眠中には、卵子の成長に関わるホルモンを含む、さまざまなホルモンが分泌されます。
睡眠不足が続くと、自律神経が乱れ、ホルモン分泌のバランスが崩れやすくなり、生理周期の乱れや排卵障害につながることもあります。

特に生理中は体力を消耗しやすいため、意識して十分な睡眠時間を確保することが必要です。
質の良い睡眠をとるために、就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えるなどの工夫をしましょう。

妊活中は注意!生理中に避けるべき3つの習慣

妊娠しやすい体づくりのためには、積極的に良いことを取り入れるだけでなく、体に負担をかける習慣を避けることも同じくらい重要です。
特に、ホルモンバランスが変動しやすくデリケートな生理期間中は、普段以上に注意が必要です。
体を冷やす行為や、体に過度なストレスを与える運動、血行を妨げる服装などは、妊活の妨げになる可能性があります。

ここでは、生理中に特に避けたい3つの習慣について解説します。

体を冷やす食べ物や飲み物の摂りすぎ

体の冷えは血行不良を引き起こし、子宮や卵巣の機能を低下させる一因となります。
特に生理中は、冷たい飲み物や食べ物、体を冷やす性質のある食材の摂りすぎに注意が必要です。
アイスクリームや清涼飲料水はもちろん、夏野菜であるきゅうりやトマト、南国の果物なども体を冷やす作用があります。

また、コーヒーなどに含まれるカフェインは血管を収縮させる働きがあるため、過剰な摂取は控えるのが望ましいです。
温かいスープやハーブティーを選んだり、食材は加熱調理したりするなど、体を内側から温める工夫を心がけ、血行の良い状態を保つことが大切です。

体に負担をかける激しい運動

軽いストレッチやウォーキングは血行促進に有効ですが、体に大きな負担をかける激しい運動は生理中には避けるべきです。
ランニングや筋力トレーニング、特に腹圧が強くかかる腹筋運動などは、体にストレスを与え、ホルモンバランスを乱す原因となり得ます。

また、エネルギーを過剰に消費することで、子宮や卵巣へ回るべきエネルギーが不足してしまう可能性も指摘されています。
生理期間は、体を休ませて次の周期に備える時期と捉え、運動はリラックスや血行促進を目的とした軽いものにとどめましょう。
自分の体調を最優先し、無理をしないことが重要です。

締め付けの強い下着や服装の着用

スキニージーンズやガードル、補正下着など、体を強く締め付ける衣類は、下半身の血行を妨げる大きな原因となります。
血流が悪くなると、子宮や卵巣が冷えやすくなるだけでなく、必要な栄養素が届きにくくなり、老廃物の排出も滞りがちになります。
これは、良質な卵子を育てたり、着床に適した子宮環境を整えたりする上で好ましくありません。

特にデリケートな生理期間中は、体を締め付けから解放し、リラックスさせることが大切です。
ゆったりとしたシルエットのワンピースやスカート、ウエストがゴムのパンツなどを選び、血行を妨げない服装を心がけましょう。

【周期別】生理後から妊娠成立までの流れと過ごし方

妊活を成功させるためには、生理中だけでなく、生理周期全体の体の変化を理解し、それぞれの時期に合った過ごし方をすることが効果的です。
生理周期は大きく分けて「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の3つに分かれます。

それぞれの期間で女性ホルモンの分泌は変動し、体と心に異なる影響を与えます。
自分の体のリズムを知り、周期に合わせたセルフケアを取り入れることで、妊娠の可能性を高める体づくりを目指しましょう。

卵胞期(生理後~排卵前):良質な卵子を育てる期間

生理が終わってから排卵までの期間を卵胞期と呼びます。
この時期は、卵巣の中で卵胞が成熟していく大切な期間で、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加します。
エストロゲンは、卵子を育てると同時に、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすいように準備する働きも担います。

心身ともに比較的安定し、活動的になれる時期なので、良質な卵子を育むための体づくりに積極的に取り組みましょう。
タンパク質やビタミン、ミネラルなど、バランスの取れた食事を基本とし、適度な運動を取り入れて血行を促進することが重要です。
質の良い卵子を育てることが、この時期の最大の目標となります。

排卵期:妊娠の確率が最も高まるタイミング

卵胞期に十分に育った卵胞から卵子が排出されるのが排卵です。
この排卵日の前後数日間が、最も妊娠しやすい時期となります。
基礎体温が低温期から高温期へ移行する直前や、おりものが卵の白身のように透明でよく伸びる状態になったときが、排卵が近いサインとされています。
このタイミングに合わせて性交渉を持つことが妊娠への近道です。

排卵期は心身ともに敏感になりやすい時期でもあるため、パートナーと穏やかなコミュニケーションをとり、リラックスした気持ちで過ごすことが大切です。
ストレスは排卵のタイミングに影響を与えることもあるため、心にゆとりを持って臨みましょう。

黄体期(排卵後~次の生理前):着床しやすい子宮環境を保つ期間

排卵後から次の生理が始まるまでの約2週間を黄体期と呼びます。
この時期は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜をさらに厚く、フカフカの状態に維持します。
また、基礎体温が高温期に入るのもこのホルモンの影響です。

受精卵の着床と妊娠の維持をサポートする非常に重要な期間なので、体を冷やさないように温かくして過ごしましょう。
また、イライラや眠気、むくみといった月経前症候群(PMS)の症状が出やすい時期でもあります。
無理をせず、ゆったりとした気持ちで過ごし、栄養バランスの良い食事と十分な休息を心がけることが大切です。

まとめ

妊活は生理中から始まっており、この時期の過ごし方が次の周期の卵子の質や子宮環境に影響を与えます。
体を温めて血行を促進し、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠を確保することが、妊娠しやすい体づくりの基礎となります。

また、生理周期全体の流れを理解し、卵胞期、排卵期、黄体期それぞれの体の変化に合わせたセルフケアを実践することも重要です。
自分の体と向き合い、無理のない範囲でできることから生活習慣を見直していくことが求められます。

 

この記事の監修者

髙下葉月
大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。

【資格】
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー

【経歴】
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任

【SNS】
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/