陣痛来ないストレスの原因は?イライラ解消法とおすすめの過ごし方
臨月に入り出産予定日が近づくと、赤ちゃんに会える楽しみと同時に「陣痛はまだかな」という不安な気持ちが募ることがあります。
特に予定日を過ぎても陣痛こないと、周囲からの期待やプレッシャーも相まって、焦りやイライラを感じてしまう妊婦は少なくありません。
この時期のストレスは、かえって陣痛を遠ざけてしまう可能性も指摘されています。
この記事では、陣痛が来ない原因を解説するとともに、不安を和らげるためのリラックス方法や、安全に陣痛を促すためのおすすめの過ごし方を紹介します。
予定日を過ぎても陣痛が来ないのはなぜ?考えられる3つの原因
出産予定日はあくまでも目安であり、その日に生まれる赤ちゃんは全体の約5%に過ぎないといわれています。
妊娠37週0日から41週6日までの「正産期」と呼ばれる期間内での出産であれば、基本的には問題ありません。
そのため、予定日を過ぎても陣痛が来ないこと自体は、決して珍しいことではないのです。
41週以降になっても陣痛がこないケースもありますが、まずはその背景にある原因を理解することが、不要な不安を和らげる第一歩となります。
赤ちゃんの準備がまだ整っていないから
陣痛は、赤ちゃんが「もうすぐ外の世界に出る準備ができた」という合図を送ることで始まると考えられています。
赤ちゃんの体、特に肺の機能などが十分に成熟し、自力で呼吸できるようになるタイミングを待っている状態なのかもしれません。
また、ママのお腹の中の環境が快適で、赤ちゃん自身がまだのんびりと過ごしたいと思っている可能性も考えられます。
陣痛が来ないのは、赤ちゃんが自分のペースで最適なタイミングを見計らっている証拠と捉え、ゆったりとした気持ちでその時を待つ姿勢も時には求められます。
体への刺激や運動が足りていない可能性
陣痛を誘発するためには、子宮への適度な刺激が有効とされています。
しかし、臨月になるとお腹が大きく重くなり、思うように動けなくなるため、どうしても活動量が減りがちです。
家で寝てばかりいるなど、体を動かす機会が少なくなると、子宮の収縮が起こりにくくなることがあります。
また、運動不足は血行不良を招き、子宮口が硬いままであったり、赤ちゃんが骨盤内へ下がりにくくなったりする一因にもなります。
適度な運動は全身の血行を促進し、お産に向けて体を整える効果が期待できます。
「まだかな?」という焦りがストレスになっていることも
「早く産まなければ」というプレッシャーや、「まだ生まれないの?」といった周囲からの言葉は、妊婦にとって大きなストレスになります。
心身が緊張状態に陥ると、リラックスを促すホルモンである「オキシトシン」の分泌が抑制されることがあります。
オキシトシンは子宮を収縮させ、陣痛を引き起こすために重要な役割を担うホルモンです。
そのため、過度なストレスや焦りが、かえって陣痛の開始を妨げている可能性も否定できません。
心穏やかにリラックスして過ごすことが、自然な陣痛を待つ上で非常に重要な要素となります。
陣痛待ちの不安やイライラを解消する5つの方法
出産予定日が近づくにつれて高まる期待と裏腹に、陣痛が来ないことへの不安やイライラは心身に影響を及ぼしかねません。
この時期は、意識的にリラックスする時間を作り、穏やかな気持ちで過ごすことが何より重要です。
赤ちゃんとの対面を心待ちにしながらも、焦らずにその時を迎えるための準備として、自宅で手軽に試せるストレス解消法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
自分に合った方法を見つけ、ゆったりとした時間を過ごしましょう。
好きな香りのアロマでリラックスする
香りは、脳の自律神経を司る部分に直接働きかけ、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
特にラベンダーやカモミール、オレンジスイートといった香りは、気持ちを落ち着かせる作用があるとされています。
アロマディフューザーを使って部屋全体に香りを広げたり、ティッシュやコットンに1〜2滴垂らして枕元に置いたりするだけでも手軽に楽しめます。
ただし、妊娠中に使用すると子宮収縮を促すなど、避けるべき精油も存在するため、アロマセラピーの専門家や産院に確認してから使用するとより安心です。
深呼吸で気持ちを落ち着かせる練習をする
不安や焦りを感じたとき、意識的に深呼吸を行うことで、高ぶった神経を鎮め、気持ちを落ち着かせることができます。
深呼吸は副交感神経を優位にし、心と体の緊張を和らげる手軽で効果的な方法です。
まず、楽な姿勢で座り、鼻からゆっくりと息を吸い込んでお腹を膨らませ、次に口から時間をかけて息を吐き出します。
この腹式呼吸は、陣痛中のいきみ逃しの練習にもなります。
お腹の赤ちゃんに新鮮な酸素を届けるイメージで行うと、よりリラックスした状態に導かれます。
温かい飲み物で体の中から温める
体を内側から温めることは、全身の血行を促進し、筋肉の緊張をほぐしてリラックス状態を作り出すのに役立ちます。
カフェインの含まれていないハーブティーやホットミルク、白湯などをゆっくりと飲む時間を作りましょう。
特にラズベリーリーフティーは「安産のお茶」として知られ、子宮の筋肉を整える働きが期待できるため、妊娠後期から取り入れる妊婦もいます。
温かい飲み物を味わいながら一息つく時間は、陣痛への不安を和らげ、心に安らぎをもたらしてくれます。
好きな音楽を聴いたり映画を観たりして気分転換する
陣痛のことばかりを考えて過ごしているとかえってストレスが溜まってしまうことがあります。
意識を別の方向に向けるために自分の好きなことに没頭する時間を作りましょう。
心地よいと感じる音楽を聴いたり感動する映画や思いきり笑えるコメディ作品を鑑賞したりするのも良い方法です。
出産後はゆっくりと自分のための時間を確保することが難しくなる場合も多いです。
今のうちにしかできないことを楽しむという視点を持つと気分転換になり心に余裕が生まれます。
赤ちゃんを迎えるためのベビーグッズを準備する
これから始まる赤ちゃんとの生活を具体的にイメージすることは、漠然とした不安を前向きな期待感へと変える助けになります。
まだ準備していないベビーグッズがあればリストアップしたり、すでに揃っているベビー服にアイロンをかけたり、肌着の水通しをしたりするのもおすすめです。
また、ベビーベッドの最終的な配置を考えたり、赤ちゃんのために用意した部屋を飾り付けたりする作業は、気持ちを落ち着かせ、出産への心の準備を整える良い機会となります。
陣痛を促すために試したい!おすすめの過ごし方6選
リラックスして待つことに加えて、体に無理のない範囲で適度な刺激を与えることが、本陣痛につながるきっかけになる場合があります。
これから紹介する方法は、医学的な根拠が確立されているものばかりではありませんが、多くの先輩ママたちが試してきた過ごし方です。
あくまで体調が良い時に、自身の体の声を聞きながら試すことが大切です。
焦らず、楽しみながら取り組めるものを見つけて、赤ちゃんに「そろそろ会いたいね」と語りかけながら過ごしてみましょう。
ウォーキングで体を動かす
ウォーキングは、妊娠中の安全な有酸素運動の1つとして挙げられます。 妊娠中の適度な運動は、出産に向けた体力づくりや、体重管理、妊婦特有のマイナートラブルの緩和、ストレス解消に効果が期待できます。
ウォーキングにより、全身の血行が促進され、むくみの予防や改善に繋がるといわれています。 また、適度な運動は子宮口が柔らかくなることや、股関節の柔軟性を高めること、分娩時間の短縮に繋がる可能性も報告されています。 ただし、ウォーキングが直接的に陣痛を促進するという明確な医学的根拠はまだ確立されていません。
体調の良い日中に、30分から1時間程度を目安に行いましょう。 転倒防止のために歩きやすい靴を選び、なるべく平坦な道を歩くことが重要です。 万が一に備えて、母子手帳と携帯電話は必ず持参してください。
階段の上り下りやスクワットを取り入れる
階段の上り下りやスクワットは、股関節の柔軟性を高め、骨盤周りの筋肉を強化するのに効果的な運動です。
これらの動きは、赤ちゃんが骨盤にはまり込み、産道を通りやすい位置まで下りてくるのを物理的にサポートします。
スクワットを行う際は、足を肩幅より少し広めに開いて、壁や椅子の背もたれなどで体を支えながら、ゆっくりと腰を落としましょう。
ただし、お腹に強い張りを感じたり、気分が悪くなったりした場合はすぐに中止してください。
決して無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。
拭き掃除で部屋も心もスッキリさせる
床の拭き掃除や窓拭きなどの家事は、適度な運動にもなります。
特に四つん這いになって床を拭く動作は、自然とスクワットに似た体勢となり、股関節を開く運動につながります。
この姿勢は、重力の助けを借りて赤ちゃんが下がりやすくなる効果も期待できます。
部屋がきれいになることで、気分転換になり、赤ちゃんを迎える環境が整うというメリットもあります。
お腹を圧迫しないように注意し、疲れたらこまめに休憩を挟みながら、自分のペースで進めましょう。
股関節の柔軟性を高めるストレッチを行う
出産をスムーズに進めるためには、股関節周りの筋肉を柔らかくしておくことが有効です。
あぐらをかく姿勢や、足の裏と裏を合わせて座り、膝をゆっくりと上下させるストレッチは、骨盤の血行を促進し、股関節の柔軟性を高めるのに役立ちます。
体が温まっているお風呂上がりに行うと、より筋肉が伸びやすくなります。
痛みを感じるほど強く行う必要はなく、あくまで「気持ち良い」と感じる範囲でゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。
こうしたストレッチはリラックス効果も高めてくれます。
陣痛促進に効果が期待できるツボを押してみる
東洋医学において、安産や陣痛促進に効果があるとされるツボがいくつか存在します。
代表的なものとして、足の内くるぶしの一番高いところから指4本分上にある「三陰交(さんいんこう)」や、足の甲で親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにある「太衝(たいしょう)」が知られています。
これらのツボを、親指でゆっくりと5秒ほど押し、離すという動作を繰り返します。
気持ち良いと感じる程度の強さで刺激するのがポイントです。
リラックスしたい時や就寝前などに行うのがおすすめです。
焼肉を食べたり炭酸飲料を飲んだりするジンクスを試す
焼肉を食べると陣痛が来る炭酸飲料を飲むと良いといった、陣痛促進に関するジンクスを聞いたことがあるかもしれません。
これらに明確な医学的根拠はありませんが、一種の気分転換として試してみるのも一つの方法です。
焼肉に含まれる成分や、炭酸が胃腸を刺激することが何らかの影響を与えるという説もあります。
しかし、それ以上に、好きなものを食べて満足感を得たり、外食することで気分転換になったりすることが、リラックスにつながり、結果として陣痛を促す可能性が考えられます。
陣痛待ちの期間に注意したいこと
陣痛を心待ちにするあまり、焦って体に負担をかけてしまうのは避けなければなりません。
お腹の赤ちゃんと母体自身の安全を最優先に考え、穏やかにその時を待つことが基本です。
特に、運動や食事に関しては自己判断で過度なことを行わず、必ず医師や助産師の指示に従う必要があります。
ここでは、陣痛待ちの期間に心に留めておきたい注意点を解説します。
正しい知識を持って、安心して出産に臨むための準備を整えましょう。
自己判断で無理な運動をするのは避ける
陣痛を促したい一心で、ランニングやジャンプといった激しい運動や、重いものを持つなどの体に大きな負荷をかける行為は絶対にしてはいけません。
これらの無理な運動は、母体に大きな負担をかけるだけでなく、常位胎盤早期剥離といった深刻な事態を引き起こすリスクを高める可能性があります。
運動はあくまでウォーキングやストレッチなど、心地よいと感じる範囲に留めてください。
お腹の張りや痛み、出血など、少しでも体調に異変を感じた場合は、すぐに中止して安静にしましょう。
不安なときは一人で抱え込まず医師や助産師に相談する
出産予定日を超えると、妊婦健診の頻度が増え、赤ちゃんと母体の状態をより慎重に確認する期間に入ります。
陣痛が来ないことへの不安や、体調の変化で気になることがあれば、どんな些細なことでも遠慮せずに医師や助産師に相談しましょう。
専門家からの客観的なアドバイスは、インターネット上の不確かな情報に惑わされるよりも、はるかに大きな安心感を与えてくれます。
必要であれば、陣痛促進剤の使用や計画分娩、無痛分娩といった医療的な選択肢についても説明を受け、自分にとって最適な方法を一緒に考えることができます。
まとめ
出産予定日を過ぎても陣痛が来ないことに対する焦りやストレスは多くの妊婦が経験する自然な感情です。
その原因は赤ちゃんの準備がまだ整っていなかったり運動不足や精神的なストレスが影響していたりと様々です。
まずは「赤ちゃん自身のタイミングがある」と信じリラックスして過ごすことが肝心です。
アロマや音楽で気分転換を図りつつウォーキングやストレッチなど体に負担のない範囲で体を動かすことも陣痛を促すきっかけになる可能性があります。
何よりも不安な時は一人で抱え込まずかかりつけの医師や助産師に相談し安心してその時を迎えましょう。
髙下葉月 【資格】 【経歴】 【SNS】この記事の監修者

大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/)
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/






