妊娠27週の逆子は治る?原因と自分でできる治し方・体操を解説

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妊娠27週頃の妊婦健診で逆子と診断されると、不安に感じるかもしれません。
しかし、この時期の逆子はまだ心配しすぎる必要はありません。

この記事では、逆子になる原因や、妊娠週数による変化、自宅でできる逆子体操などのセルフケア方法について解説します。
適切な知識を持つことで、落ち着いて出産に臨む準備を進められます。

妊娠27週時点の逆子は心配しすぎなくて大丈夫

妊娠27週は妊娠中期にあたり、この時期に逆子と診断されても過度に心配する必要はありません。
子宮内にはまだ十分なスペースがあり、赤ちゃんは活発に動き回っているため、頭の位置が定まっていないことはよくあります。
実際に、妊娠中期では約30%の赤ちゃんが逆子の状態にあるとされています。

ほとんどの場合、赤ちゃんは成長するにつれて自然に頭が下にある「頭位」に戻ります。
妊娠30週頃までには多くの逆子が自然に治り、最終的な治る確率は非常に高いとされています。
医師から特別な指示がない限りは、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんの動きを見守りましょう。

そもそも逆子(骨盤位)とはどんな状態?

逆子とは、正式には「骨盤位」と呼ばれ、通常とは異なり、お腹の中の赤ちゃんの頭が上で足やお尻が下(子宮口側)を向いている状態を指します。
出産が近づくと、多くの赤ちゃんは自然に頭を下に向けた「頭位」になりますが、何らかの理由で頭が上のままになることがあります。

逆子になる状態には、お尻が下になる「単殿位」、足が下になる「足位」、膝を立てて座ったような姿勢の「膝位」など、いくつかの種類があります。

赤ちゃんが逆子になる主な原因

赤ちゃんが逆子になる明確な原因は、実は完全には解明されていません。
しかし、いくつかの要因が関係していると考えられています。
例えば、子宮筋腫や子宮の形の異常、胎盤が子宮口の近くにある前置胎盤、羊水の量が多すぎる、あるいは少なすぎるといった母体側の要因が挙げられます。

また、多胎妊娠や赤ちゃん自身が動きやすい環境にある場合なども、逆子になる可能性が高まるとされています。
これらの要因が複合的に絡み合っていることもあり、特に原因が見当たらないケースも少なくありません。

逆子はいつまでに治る?妊娠週数ごとの変化

逆子の状態は、妊娠週数によって大きく変化します。
妊娠中期では赤ちゃんが動き回るスペースが十分にあるため逆子の割合も高いですが、週数が進むにつれて赤ちゃんの体が大きくなり、自然と頭が重い頭位に落ち着くことがほとんどです。

そのため、いつ逆子と診断されたかによって、その後の経過や治る確率は異なります。
週数ごとの赤ちゃんの状態と逆子の変化を理解しておくことが大切です。

【妊娠中期(〜27週)】赤ちゃんが活発に動き回る時期

妊娠27週頃までの妊娠中期は、胎児がまだ比較的小さく、子宮内の羊水にも余裕があるため、自由に体勢を変えることができます。
そのため、くるくると回転して逆子の位置になることは頻繁に起こります。
この時期に感じる活発な胎動は、赤ちゃんが元気に動いている証拠でもあります。

妊婦健診で逆子と診断されても、次の健診までには頭位に戻っていることも珍しくありません。
この段階では特別な処置は行われず、経過観察となるのが一般的です。

【妊娠後期(28週〜)】34週頃までに自然に頭位に戻ることが多い

妊娠28週以降の後期に入ると、赤ちゃんの体はだんだんと大きくなり、子宮内のスペースも狭くなっていきます。
そのため、徐々に体勢が固定され始めます。
妊娠30週頃になると逆子の割合は約15~20%に減少し、さらに妊娠34週頃までにはほとんどの赤ちゃんが自然に頭位に戻ります。

この時期を過ぎても逆子が続く場合、医師から逆子体操などの指導が始まることがあります。
自然に治る確率がまだ高いため、焦らず医師の指示に従いましょう。

【臨月(36週〜)】赤ちゃんの位置が固定されやすくなる

妊娠36週を過ぎて臨月に入ると、胎児はさらに大きくなり、子宮内で身動きがとりにくくなります。
そのため、この時期になると赤ちゃんの位置はほぼ固定されます。
もしこの段階で逆子のままである場合、自然に頭位に戻る可能性は低くなり、出産方法についての具体的な相談が始まります。

臨月になっても逆子が治らない確率は全体の約3~5%とされています。
出産に向けた準備を進めるため、医師とよく話し合うことが重要になります。

自宅でできる逆子を治すためのセルフケア

妊娠後期に入っても逆子が続く場合、医師や助助産師の指導のもとで自宅でできるセルフケアを試みることがあります。
代表的なものに逆子体操がありますが、その他にも日常生活で体を温めたり、寝る時の姿勢を工夫したりする方法が挙げられます。

これらのケアは、子宮の緊張を和らげ、赤ちゃんが自然に回転しやすい環境を作ることを目的としています。
ただし、自己判断で行わず、必ずかかりつけの医師に相談してから始めるようにしてください。

代表的な逆子体操のやり方と気をつけるポイント

逆子体操にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは「胸膝位(きょうしつい)」というポーズです。四つん這いの姿勢から両肘を床につけ、胸を床に近づけるようにお尻を高く持ち上げます。この姿勢を5~15分程度保ちます。

この体操は、お尻を高くすることで重力を利用し、赤ちゃんが回転しやすい体勢を促すことを目的として行われますが、医学的な効果については専門家の間でも意見が分かれています。効果があったという報告も多くありますが、100%逆子が改善されるわけではありません。

実施する際は、必ず医師や助産師に相談し、指導を受けてから始めましょう。お腹が張ったり、気分が悪くなったりした場合はすぐに中止してください。食後すぐや就寝直前は避け、リラックスできる時間帯に行うのがおすすめです。

体を温めて子宮の血流を良くする生活習慣

体が冷えると血液の循環が悪くなり、子宮が緊張して硬くなりやすいと言われています。
子宮が硬くなると赤ちゃんが動きにくくなるため、逆子が治りにくくなる可能性があります。
そのため、日常生活では体を温めることを意識しましょう。

ゆっくりと湯船に浸かる、足湯をする、温かい飲み物を飲む、腹巻やレッグウォーマーを活用するなど、下半身を中心に冷やさない工夫が効果的です。
特に、足首にある三陰交(さんいんこう)というツボは、体を温める効果があるとされています。
適度な運動も血行促進につながりますが、無理のない範囲で行うことが重要です。

就寝時の姿勢は医師の指導に従おう

逆子を治すための寝る向きとして、「シムスの体位」が推奨されることがあります。
これは体の左側を下にして横になり、上の脚(右脚)の膝を曲げて前に出す姿勢です。
また、赤ちゃんの背中が上になるように横向きで寝ると回転しやすいという説もあります。

ただし、これらの寝方による逆子改善の効果については、医学的な根拠が確立されているわけではありません。
どの姿勢が適しているかは、赤ちゃんの位置や母体の状態によって異なります。
自己判断で試すのではなく、必ずかかりつけの医師や助産師に相談し、指導された姿勢で休むようにしましょう。

病院で行われる逆子の主な治療法

自宅でのセルフケアを続けても逆子が治らない場合、妊娠35~36週頃から病院での治療が検討されることがあります。
治療法には、医師がお腹の上から直接赤ちゃんを回転させる「外回転術」や、東洋医学の考え方に基づいた「鍼灸治療」などがあります。

これらの治療は、すべての妊婦に適用されるわけではなく、母体や赤ちゃんの状態を慎重に評価した上で、実施可能と判断された場合に行われます。
治療のメリットやリスクについて、医師から十分な説明を受けることが大切です。

お腹の上から赤ちゃんの回転を促す「外回転術」

外回転術は、医師が腹部の表面から手を用いて、子宮内の胎児の向きをゆっくりと回転させ、頭位に戻すことを試みる治療法です。通常、妊娠36週から37週頃に、子宮の張りを抑える薬を使用しながら入院して行われることが多いです。

外回転術の成功率は約50%とされていますが、報告によっては60〜70%とする情報もあります。 経産婦や麻酔を使用した場合に成功率が高まるという報告もあります。

施術中には、胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離や、へその緒が圧迫されるなど、いくつかのリスクが伴うことがあります。 これらのリスクに対応するため、外回転術は緊急帝王切開が可能な設備が整った医療機関でのみ実施されます。 また、実施できる条件が限られているため、希望する場合はまず医師に相談し、メリットとデメリットについて十分な説明を受けることが重要です。

東洋医学の観点からアプローチする「鍼灸治療」

東洋医学では、鍼やお灸を用いて逆子治療を行うことがあります。
特に、足の小指の爪の生え際にある「至陰(しいん)」や、足の内くるぶしの上にある「三陰交(さんいんこう)」といったツボへのお灸が有名です。
これらのツボを温めることで全身の血行が促進され、子宮の緊張が緩和されることで、赤ちゃんが自然に回転しやすくなると考えられています。

多くの産科では行われていませんが、提携している鍼灸院を紹介されたり、妊婦への施術を専門とする鍼灸院で受けたりすることができます。
施術を受ける際は、経験豊富な専門家を選ぶことが重要です。

逆子が治らなかった場合の出産方法

妊娠36週を過ぎても逆子が治らない場合、出産方法について医師と具体的に相談することになります。
逆子のまま経腟分娩を試みることも可能ですが、分娩中にへその緒が赤ちゃんの体より先に出て圧迫されたり、頭が最後に出てくるため時間がかかり、赤ちゃんが低酸素状態になったりするリスクが高まります。

こうしたリスクを避けるため、現在では安全性を最優先し、予定帝王切開が選択されることがほとんどです。
帝王切開は、手術日が事前に決まるため、スケジュールを立てやすいという側面もあります。
医師から分娩方法について十分な説明を受け、納得した上で出産に臨むことが大切です。

まとめ

妊娠27週時点での逆子は、赤ちゃんが子宮内で活発に動いている時期であるため、多くの場合、自然に頭位に戻ります。
過度に心配せず、まずはリラックスして過ごすことが大切です。

妊娠後期になっても逆子が続く場合は、医師の指導のもとで逆子体操や体を温めるセルフケアを試みることができます。
それでも治らない場合には、外回転術や帝王切開といった選択肢があります。
どの時期であっても、不安なことや疑問点があれば一人で抱え込まず、かかりつけの医師や助産師に相談し、適切なアドバイスを受けながら出産準備を進めていきましょう。

この記事の監修者

髙下葉月
大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。

【資格】
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー

【経歴】
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任

【SNS】
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/