マタニティ整体は保険適用できる?使えないケースや注意点を解説

妊娠中のつらい腰痛や肩こりを整体で和らげたいと考える妊婦の方は少なくありません。
その際に気になるのが「マタニティ整体は健康保険が使えるのか」という点です。
費用を抑えたい気持ちから保険適用を望む方もいますが、原則としてマタニティ整体は保険適用外となります。
この記事では、マタニティ整体が保険適用外である理由や、例外的に適用されるケース、施術の安全性や整体院の選び方まで詳しく解説します。
結論:マタニティ整体は基本的に保険適用外(自費診療)です
妊娠中の腰痛や肩こり、骨盤の歪みといった慢性的な症状を緩和する目的で行われるマタニティ整体は、原則として健康保険の適用対象外となり、全額自己負担の自費診療に分類されます。
健康保険は、病気やケガの治療を目的としており、リラクゼーションや疲労回復、体調不良の予防などを目的とした施術は対象外と定められているためです。
妊娠に伴う体の不調は、病気やケガとは見なされないことがほとんどです。
そのため、マタニティ整体を受ける際は、その費用が自費であることを理解しておく必要があります。
稀に「保険が使える」と説明する院もありますが、不正請求にあたる可能性もあるため注意が求められます。
マタニティ整体で健康保険が使えない理由
健康保険が適用されるのは、医師が治療の必要があると判断した病気やケガに限られます。
具体的には、骨折、脱臼、打撲、捻挫といった急性の外傷などが対象です。一方で、マタニティ整体が対象とする妊婦特有の腰痛、肩こり、むくみといった症状は、妊娠による身体的な変化が原因の慢性的な不調と見なされます。これらは病気やケガには該当しないため、健康保険の適用範囲外となります。また、リラクゼーションやコンディション調整、疲労回復を目的とした施術も保険適用外です。したがって、妊婦の身体のケアを目的とするマタニティ整体は、治療ではなく心身のコンディショニングの一環と位置づけられ、自費診療となるのが一般的です。
例外!マタニティ整体でも保険適用が認められるケースとは?
マタニティ整体は基本的に自費診療ですが、すべてのケースで保険が使えないわけではありません。
整骨院(接骨院)での施術において、特定の条件を満たす場合には健康保険の適用が認められることがあります。
ただし、これはあくまで「マタニティ整体」という枠組みではなく、保険が適用される範囲の「治療」として行われる場合に限られます。
具体的には、原因がはっきりしている急性のケガなどが該当します。
原因が明確な急性のケガ(ぎっくり腰や寝違えなど)
妊娠中に転倒して足首を捻挫した、重いものを持ち上げてぎっくり腰になった、朝起きたら首が動かせない寝違えになっていたなど、原因と発生時期が明確な急性の外傷については、健康保険が適用される可能性があります。
このような症状の治療は、整骨院(接骨院)の保険適用業務の範囲内です。
ただし、保険が適用されるのは、あくまでケガをした部位に対する治療のみとなります。
妊娠中の慢性的な腰痛や肩こりなど、ケガとは直接関係ない部位への施術を同時に行う場合は、その部分は自費診療となるため、事前に整骨院へ確認することが重要です。
医師の同意がある一部の症状
鍼灸院での施術においては、特定の慢性的な症状に対して医師が治療の必要性を認め、同意書を発行した場合に限り、健康保険が適用されることがあります。
対象となる症状には、神経痛、リウマチ、五十肩、頸腕症候群、腰痛症、頚椎捻挫後遺症などが挙げられます。
妊娠中のつらい腰痛がこれらの症状に該当すると医師に診断されれば、保険を使って鍼灸治療を受けられる可能性があります。
ただし、この制度を利用できるのは鍼灸院や一部の整骨院に限られ、一般的な整体院では適用されません。
また、医師の同意書が必要となるため、まずはかかりつけの産婦人科医や整形外科医に相談することが先決です。
そもそもマタニティ整体とは?施術内容と期待できる効果
マタニティ整体とは、妊娠中の女性特有の身体の変化に対応した専門的な施術です。
お腹が大きくなるにつれて変化する骨格や筋肉のバランスを整え、妊婦が抱える様々な不調を緩和することを目的とします。
一般的なマッサージとは異なり、お腹の赤ちゃんに負担をかけない安全な体勢で、ソフトな手技を用いて行われるのが特徴です。
つらい症状の改善だけでなく、心身のリラックスや安産に向けた身体づくりもサポートします。
妊婦さん特有の身体の変化に合わせた優しい施術
マタニティ整体は妊婦の身体に配慮した安全な施術が最大の特徴です。
お腹が大きくなることで負担がかかる腰や背中、骨盤周りの筋肉を優しくほぐし、骨格の歪みを調整します。
うつ伏せでの施術は避け、横向き(シムス位)や仰向け、座位など、お腹に圧迫感のない楽な姿勢で行われます。
施術者は妊婦の身体に関する専門知識を持ち、その日の体調や週数に合わせて力加減や施術内容を細かく調整します。
強い力を加えるような手技や、身体に負担のかかるストレッチは行わず、リラックスできる心地よい刺激で血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることを目指します。
つらい腰痛や肩こりの緩和
妊娠中はホルモンバランスの変化や体重増加、姿勢の変化により、腰痛や肩こりに悩まされる方が多くなります。
特にお腹が大きくなるにつれて重心が前に移動し、背中を反らせる姿勢になるため、腰や背中の筋肉に大きな負担がかかります。
マタニティ整体では、こうした負担で凝り固まった筋肉を、心地よいマッサージのような手技で丁寧にほぐしていきます。
また、骨盤周りの筋肉の緊張を和らげ、歪みを調整することで、姿勢を安定させ、痛みの根本的な原因にアプローチします。
血行が促進されることで、筋肉に溜まった疲労物質が排出されやすくなり、つらい症状の緩和が期待できます。
足のむくみやこむら返りの改善
妊娠後期になると、大きくなった子宮が下半身の血管を圧迫し、血行不良や水分の滞りを引き起こしやすくなります。
これが足のむくみや、就寝中のこむら返りの原因となります。
マタニティ整体では、ふくらはぎや足裏を中心に、血液やリンパの流れを促すソフトなマッサージを行います。
これにより、下半身に溜まった余分な水分や老廃物の排出を助け、むくみを軽減します。
また、血行が改善されることで、筋肉に必要な酸素や栄養素が届きやすくなり、筋肉の異常な収縮であるこむら返りの予防にもつながります。
施術によって、足のだるさや重さがすっきりする効果も期待できます。
出産の準備に向けた骨盤ケア
妊娠中、特に後期になると、出産をスムーズにするために「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは骨盤周りの靭帯を緩める働きがあり、赤ちゃんが産道を通りやすくする役割を果たしますが、一方で骨盤が歪みやすく、不安定になる原因にもなります。
マタニティ整体では、この時期の骨盤を適切にケアすることが可能です。
骨盤周りの筋肉のバランスを整え、靭帯に過度な負担がかからないように調整することで、腰痛や恥骨痛の緩和を目指します。
また、骨盤を柔軟で動きやすい状態に保つことは、スムーズな出産にも繋がると考えられています。
出産に向けた身体の準備を整える意味でも、妊娠中の骨盤ケアは重要です。
マタニティ整体の安全性は?お腹の赤ちゃんへの影響について
専門知識と技術を持つ施術者が行うマタニティ整体は、安全に配慮された施術であり、お腹の赤ちゃんへ直接的な悪影響を及ぼすことは基本的にありません。
施術は、妊婦の身体に負担をかけないよう、横向きや仰向けといった楽な姿勢で行われます。
また、お腹を圧迫したり、強い刺激を与えたりするような手技は避け、母体と胎児の安全を最優先に考えられています。
ただし、妊娠中の身体は非常にデリケートなため、施術を受ける前には必ずかかりつけの産婦人科医に相談し、許可を得ることが重要です。
特に、妊娠初期や切迫早産のリスクがある場合、妊娠高血圧症候群などの合併症がある場合は施術を受けられないこともあります。
必ず事前に医師の確認を取りましょう。
マタニティ整体はいつからいつまで受けられる?
マタニティ整体を受けられる期間は、一般的に妊娠16週以降の安定期から臨月(出産予定日の直前)までとする整体院が多いです。
妊娠初期(〜15週)は、胎盤がまだ安定しておらず、つわりなどの体調変化も大きいため、施術を受け付けていない場合がほとんどです。
安定期に入ると体調も落ち着き、施術によるリスクが低くなるため、多くの院で受け入れが可能になります。
臨月に入っても、体調に問題がなければ出産直前まで施術を受けられることがありますが、これも院の方針や妊婦自身の体調によります。
いつからいつまで施術を受けられるかは、整体院によって基準が異なるため、事前に必ず確認してください。
また、どの時期であっても、妊娠中に施術を受ける前には産婦人科医に相談し、許可を得ることが大切です。
後悔しない!安全なマタニティ整体院の選び方
マタニティ整体を受ける上で、信頼できる院を選ぶことは非常に重要です。
妊娠中の身体は特別な配慮が必要なため、一般的な整体院や整骨院ではなく、マタニティケアを専門的に扱っている院を選ぶのが基本です。
料金だけでなく、施術者の資格や実績、院内の環境などを総合的に判断し、安心して身体を任せられる場所を見つけることが、後悔しないためのポイントとなります。
マタニティケア専門の資格や豊富な実績があるか確認する
安全な施術を受けるためには、施術者がマタニティ整体に関する専門的な知識と技術を持っていることが不可欠です。
国家資格(柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師など)を保有しているかどうかに加え、マタニティケアに関する民間資格や研修の修了歴があるかを確認しましょう。
また、ウェブサイトなどで妊婦への施術実績が豊富に掲載されているかどうかも重要な判断材料になります。
多くの妊婦をケアしてきた実績は、様々なケースに対応できる経験の証です。
カウンセリングの際に、妊娠中の身体の変化やリスクについて詳しい説明があるか、質問に対して的確に答えられるかどうかも、施術者の専門性を見極めるポイントです。
施術内容や料金体系が明確に提示されているか
信頼できる整体院は、施術内容や料金体系をウェブサイトや院内に明確に表示しています。
マタニティ整体のコース内容、施術時間、料金が具体的に記載されているかを確認しましょう。
「マタニティマッサージ」といった曖昧な表記ではなく、どのような手技でどの部位にアプローチするのかが分かると安心です。
また、初診料、回数券の有無、キャンセルポリシーなど、追加でかかる費用についても事前に確認しておくことが大切です。
料金について不明瞭な点があったり、高額な回数券の購入を強く勧められたりするような場合は注意が必要です。
明朗会計であることは、安心して通うための基本的な条件と言えます。
丁寧なカウンセリングで不安を取り除いてくれるか
妊娠中の身体の状態や悩みは一人ひとり異なります。
そのため、施術前に丁寧なカウンセリングを行い、個々の状態をしっかり把握してくれる整体院を選びましょう。
現在の週数、体調、つらい症状、既往歴、出産予定の病院などを細かくヒアリングし、それに基づいた施術計画を提案してくれるかどうかが重要です。
また、施術内容や安全性について、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかも確認するべきポイントです。
こちらの不安や質問に対して親身に耳を傾け、納得できるまで説明してくれる施術者であれば、信頼関係を築きやすく、リラックスして施術を受けることができます。
初回カウンセリングの対応で、その院の姿勢を判断するとよいでしょう。
マタニティ整体に関するよくある質問
マタニティ整体の保険適用や選び方について解説しましたが、まだ疑問点が残っている妊婦の方もいるかもしれません。
特に、費用に関する質問は多く寄せられます。
マタニティ整体は基本的に保険適用外の自費診療ですが、妊娠中の急性の痛みに対しては保険が適用される場合があります。また、医療費控除については、治療目的で行われ、かつ国家資格保有者による施術であれば対象になります。マタニティ整体に関するよくある質問とその回答をまとめました。
施術を受ける前に、これらの情報を確認して不安を解消しておきましょう。
Q1.整骨院なら保険が使えると聞いたのですが本当ですか?
整骨院での施術であっても、妊娠中の慢性的な腰痛や肩こりの緩和を目的とする場合は保険適用外です。
保険が適用されるのは、ぎっくり腰や寝違えなど、原因がはっきりした急性のケガに限られます。
整骨院で提供されるマタニティ整体は、自費診療と考えるのが一般的です。
Q2.マタニティ整体の費用は医療費控除の対象になりますか?
妊娠中の身体の不調を緩和する目的のマタニティ整体は、治療ではなく心身のコンディショニングと見なされるため、原則として医療費控除の対象にはなりません。
ただし、医師の指示による治療目的の施術であれば対象となる可能性もあるため、税務署に確認することをおすすめします。
Q3.産後の骨盤矯正は保険適用されますか?
産後の骨盤矯正も、美容やスタイルの改善、慢性的な不調の緩和が目的であるため、保険適用外となります。
整骨院で施術を受ける場合でも自費診療です。
ただし、出産時のケガが原因で痛みが生じているなど、治療が必要な場合は保険が適用されるケースもあります。
まとめ
妊娠中の不調を和らげるマタニティ整体は、原則として健康保険の適用外であり、自費診療となります。
これは、慢性的な症状の緩和やリラクゼーションを目的としており、病気やケガの治療とは見なされないためです。
ただし、整骨院で受ける施術のうち、ぎっくり腰といった急性のケガについては保険が適用される場合があります。
妊婦が安全に施術を受けるためには、マタニティケアの専門知識と豊富な実績を持つ院を選ぶことが重要です。
一般的なマッサージとは異なり、妊娠中の身体に配慮した専門的なケアを受けることで、腰痛やむくみの緩和が期待できます。
施術を受ける際は、必ず事前にかかりつけ医に相談し、信頼できる整体院を選びましょう。
髙下葉月 【資格】 【経歴】 【SNS】この記事の監修者

大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/)
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/






