つわりの熱は大丈夫?妊娠初期の症状か風邪かの見分け方と対処法

妊娠初期に熱っぽさを感じると、つわりの症状なのか、それとも風邪なのか分からず不安になることがあります。
この熱っぽさは、妊娠による生理的な変化が原因の場合が多いですが、中には注意が必要なケースも存在します。
この記事では、妊娠初期に熱が出る原因、風邪との見分け方、ご自身でできる対処法、そして病院を受診すべき症状の目安について詳しく解説します。
妊娠初期に熱が出るのはなぜ?つわりと高温期の関係
妊娠初期にみられる発熱や熱っぽさには、主に二つの原因が考えられます。
一つは、妊娠を維持するために起こるホルモンバランスの変化による「基礎体温の上昇」です。
もう一つは、吐き気など他の症状とともに熱っぽさを感じる、つわりの一種である「熱つわり」の可能性です。
どちらも妊娠に伴う生理的な変化ですが、その仕組みを理解しておくと、過度な心配を減らすことにつながります。
妊娠によるホルモンバランスの変化で基礎体温が高くなる
妊娠すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンの分泌が活発になります。
このホルモンには基礎体温を上げる働きがあるため、妊娠が成立すると、通常は次の月経まで続く高温期がそのまま維持されます。
そのため、平熱より0.2〜0.5度ほど体温が高い状態が続き、普段より体が熱っぽく感じたり、ほてりを感じたりすることがあります。
これは妊娠に伴う正常な生理現象であり、心配する必要はありません。
吐き気やほてりを伴う「熱つわり」の可能性も
熱つわりとは、医学的な病名ではありませんが、つわりの症状の一つとして、微熱や体のほてり、熱っぽさを感じる状態を指す言葉です。
一般的なつわりである吐き気や嘔吐、だるさに加えて、まるで風邪のひきはじめのような熱発や悪寒を感じることが特徴です。
これもホルモンバランスの乱れや自律神経の不調が関係していると考えられています。
多くの場合は37度台の微熱で、他のつわりの症状と同様に、安定期に入ると自然に落ち着いていくことがほとんどです。
【これは病院に行くべき?】つわりの熱と風邪を見分ける4つのポイント
妊娠初期の熱っぽさは多くが心配のないものですが、中には風邪や感染症など、治療が必要なケースも隠れています。
生理的な症状なのか、それとも病気なのかを判断するためには、熱の高さや他の症状の有無を注意深く観察することが重要です。
ここでは、つわりによる熱と風邪を見分けるための具体的なチェックポイントを4つ紹介します。
これらの点を総合的に確認し、受診の目安としてください。
38度以上の高熱が出ていないか確認する
妊娠による生理的な体温上昇の場合、熱は37度台の微熱であることがほとんどです。
もし体温計で測って38度以上の発熱がみられる場合は、単なる妊娠初期症状ではなく、ウイルスや細菌による感染症の可能性があります。
特に、急に高熱が出た場合は注意が必要です。
38度という体温は、体が何らかの病原体と戦っているサインであり、産婦人科や内科を受診する一つの明確な基準となります。
悪寒や関節の痛みなど風邪に似た症状がないかチェックする
つわりによる熱っぽさと風邪を見分けるには、熱以外の症状に注目することが重要です。
もし熱っぽさに加えて、強い悪寒(寒気)、体の節々が痛む関節痛、喉の痛み、咳、鼻水といった典型的な風邪の症状がある場合は、感染症の可能性が高いと考えられます。
妊娠による熱っぽさは、主にだるさやほてりが中心で、これらの呼吸器症状や関節痛を伴うことは少ないため、判断の参考にしてください。
熱っぽさが何日も続いていないか確かめる
妊娠による高温期は安定期に入るまで持続しますが、その熱っぽさは一定の範囲で続くことがほとんどです。
一方で、風邪や他の感染症による発熱は、数日間で熱が上がったり下がったりと変動することが多く、症状が長引くと体力を大きく消耗します。もし熱っぽさが急に強くなったり、解熱してもすぐにぶり返したりするなど、普段の体調と異なる状態が何日も続くようであれば、かかりつけの医師に相談することをおすすめします。
激しい腹痛や出血など他の異常がないかを確認する
発熱とともに、他の危険な兆候がないかを確認することも非常に重要です。
特に、下腹部のけいれんや持続的な痛み、性器からの出血が見られる場合は、切迫流産や子宮外妊娠など、緊急性の高い状態である可能性も否定できません。
これらの症状は、熱の原因が風邪や感染症ではなかったとしても、妊娠そのものに異常が起きているサインかもしれません。
熱以外の症状にも注意を払い、異常を感じたらすぐに産婦人科へ連絡してください。
妊娠初期の発熱は赤ちゃんに影響する?
妊娠初期は赤ちゃんの重要な器官が作られる大切な時期であるため、発熱が胎児に与える影響について心配する方は少なくありません。
結論から言うと、妊娠による生理的な範囲の微熱であれば心配はほとんどありませんが、高熱が続く場合は注意が必要です。
ここでは、発熱が赤ちゃんに与える影響について、熱の高さや持続期間の観点から解説します。
妊娠中の生理的な微熱が胎児に影響することはほとんどない
妊娠中のホルモンバランスの変化によって生じる37度台の微熱やほてりは、生理的な現象です。
体が妊娠状態を維持するために最適な環境を整えている過程で起こるものであり、この程度の体温上昇が直接、胎児の成長や発育に悪影響を及ぼすことはほとんどないと考えられています。
したがって、高熱や他の心配な症状がなければ、過度に不安になる必要はなく、落ち着いて過ごすことが大切です。
高熱が長く続くと赤ちゃんに影響が出る可能性も
一方で、38度を超えるような高熱が数日間にわたって続く場合は、赤ちゃんに影響が出る可能性が指摘されています。
特に、脳や神経など重要な器官が形成される妊娠4週から7週頃に高熱が持続すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクがわずかに高まるという研究報告もあるため、注意が必要です。
高熱の原因となる感染症そのものが胎児に影響を及ぼす可能性もあるため、早めに解熱するなどの適切な対応が求められます。
つわりで熱っぽい時に試したい!妊婦さんができる5つの対処法
つわりや妊娠初期の症状で熱っぽさを感じるとき、薬に頼れない妊婦さんにとっては、どのように対処すればよいか悩むかもしれません。
しかし、ご自身でできるセルフケアで不快な症状を和らげることは可能です。
ここでは、つわりの熱っぽさを感じたときに試したい、安全な5つの対処法を紹介します。
無理のない範囲で取り入れ、少しでも快適に過ごせるように工夫しましょう。
まずは安静にして十分に体を休める
妊娠中は体が疲れやすく、免疫力も低下しがちです。
熱っぽさやだるさを感じるときは、体が休息を求めているサインと捉え、無理せず横になる時間を確保しましょう。
特に睡眠不足は体調を悪化させる原因になるため、十分な睡眠をとることが大切です。
仕事をしている場合は、休憩時間をこまめに取ったり、可能であれば早めに帰宅したりするなど、体に負担をかけない生活を心がけてください。
安静にすることは、体力の消耗を防ぎ、回復を早めるための基本です。
脱水を防ぐためにこまめな水分補給を心がける
熱があるときは、汗などで体から水分が失われやすくなります。
また、つわりで食事が十分に摂れていない場合は、食べ物から得られる水分も不足しがちになり、脱水症状に陥りやすくなります。
脱水を防ぐために、水やお茶、麦茶、経口補水液などを、一度にたくさん飲むのではなく、少しずつこまめに摂取することが大切です。
カフェインの多い飲み物は避け、常温または温かい飲み物で、体を冷やしすぎないように水分を補給しましょう。
涼しい服装をしたり首元を冷やしたりして体を快適に保つ
熱っぽさやほてりがつらいときは、体を心地よく冷やす工夫が有効です。
ただし、体を冷やしすぎると血行が悪くなるため注意が必要です。
熱がこもらないように、締め付けの少ないゆったりとした、通気性の良い綿素材などの服装を選びましょう。
また、濡らしたタオルや冷却シートで首筋や脇の下、足の付け根などを冷やすと、太い血管が冷やされて効率的に体温が下がる助けになります。
快適だと感じる範囲で行い、寒気を感じる場合はすぐに中止してください。
消化が良く栄養のある食事を摂る
熱で体力を消耗しているときや、つわりで食欲がないときは、無理に食べる必要はありませんが、体力を維持するためにも栄養補給は大切です。
胃に負担がかかりにくい、おかゆやうどん、スープ、ゼリー、果物などがおすすめです。
特に、ビタミンCを多く含む果物や、体を温める効果のある生姜を使ったスープなどは、免疫力を高める助けにもなります。
食べられるものを少しずつ、数回に分けて摂るように工夫してみましょう。
自己判断で市販の解熱剤を服用するのは避ける
妊娠中に熱が出たからといって自己判断で市販の解熱剤を服用することは絶対に避けてください。
市販薬の中にはアセトアミノフェンやイブプロフェンなど様々な成分が含まれており、特に妊娠後期にイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用すると胎児に影響を及ぼす可能性があります。
薬が必要な場合は必ず産婦人科医に相談し、妊娠中でも安全に服用できる薬を処方してもらうようにしてください。
こんな症状はすぐに産婦人科へ!受診を急ぐべきケース
ほとんどの熱っぽさは自宅での対処で問題ありませんが、中にはすぐに医療機関での対応が必要な危険な症状もあります。
自己判断で様子を見ているうちに、母体や赤ちゃんに影響が及ぶ事態は避けなければなりません。
ここでは、どのような症状が見られた場合に、すぐに産婦人科へ連絡し、受診を急ぐべきか、具体的なケースを挙げて解説します。
ためらわずに専門家の判断を仰ぐことが重要です。
38度以上の高熱が下がらないとき
市販薬を自己判断で飲むことはできませんが、38度以上の高熱が24時間以上続く場合や、一度下がっても再び上がってくるような場合は、速やかに産婦人科を受診してください。
高熱が持続している背景には、腎盂腎炎や肺炎、虫垂炎といった細菌感染症が隠れている可能性があります。
これらの病気は、適切な抗菌薬などによる治療が必要であり、放置すると重症化する恐れがあります。
特に妊娠中は、体の変化により感染症にかかりやすくなっているため、早めの対応が肝心です。
水分補給ができないほど体調が悪いとき
つわりの症状が重く、嘔吐を繰り返してしまい、水やお茶を一口飲んだだけでも吐いてしまうような状態は危険なサインです。
水分を全く受け付けられない状態が続くと、重度の脱水症状や電解質異常を引き起こし、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という治療が必要な状態に陥ることがあります。
この場合、点滴による水分や栄養の補給が必要となるため、我慢せずにすぐに産婦人科に連絡してください。
体重が急激に減少した場合も受診の目安となります。
インフルエンザや新型コロナウイルスなど感染症が疑われるとき
38度以上の高熱に加えて、強い悪寒、激しい頭痛、全身の関節痛や筋肉痛といった症状がある場合は、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症が疑われます。
これらの感染症は、妊娠中に罹患すると重症化しやすいことが知られており、肺炎などを合併するリスクも高まります。風邪とは異なる強い症状を感じた場合は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科に電話で相談し、指示を仰いでください。適切な検査と早期治療が重要です。
つわりの熱に関するよくある質問
妊娠初期の熱発は多くの妊婦さんが経験する症状ですが、個人差も大きく、様々な疑問や不安が浮かぶものです。
ここでは、つわりに伴う熱に関して特によく寄せられる質問をまとめ、それぞれの疑問に簡潔にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせ、不安を解消するための参考にしてください。
ただし、最終的な判断はかかりつけ医に相談することが大切です。
Q1.熱つわりはいつ頃まで続くことが多いですか?
熱つわりはつわりの一種のため、他のつわり症状と同様、妊娠12週から16週頃の安定期に入るころに自然と落ち着くことが多いです。
いつから始まりいつまで続くかは個人差が非常に大きく、妊娠初期で終わる人もいれば、妊娠後期まで続く人もいます。
症状が長引いてつらい場合は、我慢せずに産婦人科医に相談しましょう。
Q2.妊娠初期の熱で寒気がするのはなぜですか?
発熱時に寒気がするのは、体が体温をさらに上げようとして筋肉を小刻みに震わせるためです。
風邪などの感染症の初期症状としてよく見られます。
妊娠によるホルモンの影響で自律神経が乱れ、体温調節がうまくいかずに寒気を感じることもあります。
頭痛を伴うことも多いため、無理せず体を温かくして休むことが大切です。
Q3.妊娠に気づかず解熱剤を飲んでしまいました。大丈夫でしょうか?
妊娠超初期(妊娠4週未満)の薬の服用は、胎児の器官形成に影響を与える可能性は低いとされています。
しかし、薬の種類や服用量、時期によってリスクは異なります。
自己判断で安心せず、産婦人科を受診した際に、いつ、どの薬を飲んだのかを正直に医師に伝えてください。
薬のパッケージなどを持参すると正確な情報が伝わります。
まとめ
妊娠初期に感じる熱っぽさの多くは、ホルモンバランスの変化による生理的なもので、心配いらないケースがほとんどです。
しかし、38度以上の高熱や、風邪に似た症状、激しい腹痛など、いつもと違う症状がある場合は、自己判断せずに速やかに産婦人科を受診することが重要です。
つわりによる吐き気などで体調が優れないときは、無理せず体を休め、こまめな水分補給を心がけてください。
不安な点は一人で抱え込まず、かかりつけ医に相談しながら、穏やかな気持ちで過ごしましょう。
髙下葉月 【資格】 【経歴】 【SNS】この記事の監修者

大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/)
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/






