妊娠初期の顔のむくみ(浮腫)は病気?原因と安全なセルフケア

妊娠初期の顔のむくみ(浮腫)は病気?原因と安全なセルフケアを解説します。

妊娠初期に鏡を見て、顔がむくむと感じる方は少なくありません。
これは「浮腫」とも呼ばれ、多くの妊婦さんが経験する変化の一つです。
ホルモンバランスの変化や体内の水分量の増加が主な原因ですが、中には注意が必要なケースも存在します。

この記事では、妊娠初期に顔がむくむ原因から、自宅でできる安全なセルフケア方法、そして見過ごしてはいけない危険なサインまでを詳しく解説します。

もしかして妊娠超初期症状?顔のむくみがサインになるケースとは

妊娠を希望している時期に顔がむくむと、「もしかして妊娠のサイン?」と気になるかもしれません。

実際に、妊娠超初期症状の一つとして顔のむくみが現れることがあります。

これは、妊娠によって女性ホルモンのバランスが大きく変化し、体が水分を溜め込みやすくなるために起こる現象です。

ただし、むくみは月経前の症状(PMS)としても現れるため、この症状だけで妊娠を判断することは難しいのが実情です。

生理前のむくみと妊娠初期のむくみの見分け方

生理前と妊娠初期のむくみは、どちらも女性ホルモン「プロゲステロン」の増加が関わっているため、症状だけで明確に見分けるのは困難です。
プロゲステロンには体内に水分を保持する働きがあり、これがむくみの原因となります。
見分けるためのヒントとしては、むくみ以外の症状に注目することが挙げられます。

例えば、妊娠初期の場合は、基礎体温の高温期が3週間以上続く、強い眠気やだるさ、早い時期からの吐き気といった、生理前の症状とは少し異なるサインが見られることがあります。
最終的な判断は市販の妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診して確認することが必要です。

妊娠初期に顔がむくむ主な3つの原因

妊娠初期に顔がむくむのは、お腹の中で新しい命を育むための体の自然な変化が大きく影響している場合があります。主な原因としては、女性ホルモンの増加や循環血液量の増加が挙げられます。

これらは妊娠を維持し、赤ちゃんを健やかに成長させるために必要な体の準備ですが、その過程で一時的にむくみとして現れることがあります。それぞれの原因について理解することで、過度に心配することなく、適切に対処できるようになります。

原因①:女性ホルモン「プロゲステロン」の増加による水分の溜め込み

妊娠すると、妊娠を維持するために「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌量が急激に増加します。
このプロゲステロンには、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整えたり、妊娠状態を継続させたりする重要な役割があります。
その一方で、体に水分を溜め込みやすくする作用も持っています。

体内の水分量が増加すると、血管やリンパ管から水分が漏れ出しやすくなり、それが顔や手足のむくみとなって現れます。
これは妊娠初期における生理的な変化の一つであり、多くの妊婦さんが経験する症状です。

原因②:赤ちゃんのために循環する血液量が増加するため

妊娠中は、胎盤を通して赤ちゃんに栄養と酸素を届けるために、お母さんの体内を循環する血液の量が大幅に増加します。
一般的に、妊娠前の約1.3倍から1.5倍にまで増えると言われています。

血液の液体成分である血漿の増加率が赤血球の増加率を上回るため、血液全体が水分の多い状態になります。
これにより、血管内の水分が組織に漏れ出しやすくなり、むくみを引き起こす一因となります。
これもまた、赤ちゃんを育むための体の準備に伴う自然な現象と言えます。

原因③:つわりによる水分不足や食生活の乱れ

つわりが始まると、吐き気や食欲不振によって水分摂取が十分にできなくなったり、食事内容が偏ったりすることがあります。

水分が不足すると、体は脱水状態を防ごうとして、かえって水分を溜め込もうと働きます。これがむくみの原因になることがあります。また、つわりの時期はさっぱりしたものや塩気のあるものなど、特定の食べ物しか受け付けなくなることも少なくありません。塩分の多い食事を摂りすぎると、体内のナトリウム濃度を薄めるために水分が保持され、むくみにつながりやすくなります。

その顔のむくみ、大丈夫?注意すべき危険なサイン

妊娠中の顔のむくみ(浮腫)は、多くの場合、生理的な変化によるもので心配はいりません。
しかし、中には注意が必要な病気のサインである可能性も潜んでいます。
特に、むくみが急にひどくなったり、他の症状を伴ったりする場合には、自己判断せずに医療機関に相談することが重要です。

ここでは、特に注意すべき危険なサインについて解説します。
自分の体の変化を注意深く観察し、異常を感じたらすぐに対応できるようにしておきましょう。

急激な体重増加を伴うむくみは要注意

妊娠中の体重管理は重要ですが、むくみと合わせてチェックしたいのが体重の増え方です。
通常、妊娠中の体重増加は週に0.3〜0.5kg程度が目安とされています。

もし、1週間に1kg以上といった急激な体重増加が見られ、同時に顔や手足のむくみがひどくなった場合は注意が必要です。
これは、体内に余分な水分が異常に溜まっているサインかもしれません。
特に、指で足のすねなどを押したときに、へこんだ跡がなかなか戻らないような強いむくみが見られる場合は、かかりつけの産婦人科医に相談してください。

高血圧や頭痛など他の症状がある場合は病院へ相談を

顔のむくみだけでなく、他に気になる症状がある場合は特に注意が必要です。
例えば、妊婦健診で血圧が高いと指摘された、頭痛が続く、目がチカチカして物が見えにくい、めまいがするといった症状がむくみと同時に現れた場合、それは「妊娠高血圧症候群」のサインである可能性があります。

これらの症状は、母体と赤ちゃんの両方にとって危険な状態につながる恐れがあるため、一つでも当てはまるものがあれば、次の健診を待たずに速やかにかかりつけの産婦人科に連絡し、受診するようにしましょう。

知っておきたい「妊娠高血圧症候群」の初期症状

妊娠高血圧症候群は、主に妊娠20週以降から産後12週までに高血圧がみられる状態を指し、重症化すると母子ともに危険な状態に陥ることがある病気です。
初期症状としては、これまで解説してきた「むくみ」や「急激な体重増加」のほかに、「高血圧」や「蛋白尿」があります。

これらは妊婦健診でチェックされる項目ですが、自覚症状として「頭痛」「目がチカチカする」「右上腹部痛」などが現れることもあります。
これらのサインを見逃さず、早期に発見し、適切な管理を受けることが非常に重要です。

妊娠初期でも安心!パンパンな顔のむくみを解消するセルフケア方法

妊娠初期のつらい顔のむくみは、日常生活のちょっとした工夫で和らげることが可能です。
体に負担をかけず、お腹の赤ちゃんにも影響のない安全なセルフケアを取り入れて、すっきりとした朝を迎えましょう。

ここでは、食事のポイントから簡単なマッサージ、体を温める方法まで、今日からすぐに実践できる具体的な対策を紹介します。
無理のない範囲で、自分に合ったものから試してみてください。

食事で対策!塩分を排出しやすいカリウムを意識的に摂ろう

むくみの大きな原因の一つが、塩分の摂りすぎです。
体は塩分濃度を一定に保とうとするため、塩分を過剰に摂取すると、それを薄めるために体内に水分を溜め込んでしまいます。
まずは、加工食品やインスタント食品、外食を少し控え、減塩を心がけることが基本です。

それに加えて、体内の余分な塩分を排出する働きを持つ「カリウム」を積極的に摂取しましょう。
カリウムは、バナナ、アボカド、ほうれん草、納豆、いも類などに豊富に含まれています。
普段の食事にこれらの食材をプラスするだけで、むくみ対策につながります。

血行を促進する顔周りのやさしいリンパマッサージ

滞った血流やリンパの流れを改善することも、むくみ解消に効果的です。
ただし、妊娠中は体がデリケートになっているため、強いマッサージは避けましょう。
洗顔後、スキンケアで肌が滑りやすい状態の時に行うのがおすすめです。
指の腹を使い、眉頭からこめかみ、耳の下、そして首筋を通って鎖骨のくぼみへと、優しくなでるようにリンパを流します。

痛みを感じない、心地よいと感じる程度の力加減で行うのがポイントです。
リラックス効果も期待できるので、就寝前の習慣にしてみるのも良い方法です。

体を温める蒸しタオルや白湯で巡りを改善する

体の冷えは血行不良を招き、むくみを悪化させる原因になります。
特に妊娠中はホルモンの影響で自律神経が乱れやすく、体温調節がうまくいかないこともあります。

手軽にできる温活として、蒸しタオルの活用がおすすめです。
水で濡らして軽く絞ったタオルを電子レンジで温め、やけどに注意しながら顔や首筋に当てると、血行が促進されて顔色が明るくなります。
また、朝一番や就寝前に白湯を飲む習慣をつけるのも良いでしょう。
内側から体を温めることで、全身の巡りが改善され、むくみの予防・解消に役立ちます。

誤解されがち?実は大切なこまめな水分補給

むくんでいるからといって水分を控えるのは逆効果です。
体内の水分が不足すると、体は危険を感じて、さらに水分を溜め込もうと働いてしまいます。
そのため、むくみ解消のためには、むしろ意識的な水分補給が欠かせません。

ポイントは、一度に大量に飲むのではなく、一日を通してこまめに飲むことです。
常温の水や白湯、ノンカフェインの麦茶などを、1日に1.5リットルから2リットルを目安に少しずつ摂取しましょう。
適切な水分補給は、体内の老廃物の排出を促し、血行を改善する効果も期待できます。

つらい時は無理せず横になって休むことも大切

妊娠初期は体調が不安定で疲れやすい時期です。
立ち仕事やデスクワークで長時間同じ姿勢を続けていると血行が悪くなりむくみやすくなります。
むくみやだるさを感じた時は無理をせず体を休ませることが最も効果的な対策の一つです。

少しの時間でも横になることで心臓への負担が軽くなり全身の血の巡りが良くなります。
その際クッションや座布団を足元に置いて足を心臓より少し高い位置に上げると下半身に溜まった余分な水分が戻りやすくなり足のむくみ解消にもつながります。

妊娠初期の顔のむくみに関するよくある質問

ここでは、妊娠初期の顔のむくみに関して、多くの妊婦さんが疑問に思う点や不安に感じる点について、よくある質問とその回答をまとめました。
むくみがいつまで続くのか、市販のケアグッズは使っても良いのかなど、具体的な疑問を解消するための参考にしてください。

ただし、症状には個人差があるため、心配なことがあればかかりつけの医師に相談することが基本です。

Q1.顔のむくみはいつから始まって、いつまで続くことが多いですか?

顔のむくみは、妊娠初期である妊娠9週ごろから自覚し始める方が多い傾向にあります。
ホルモンバランスや血液量の変化が主な原因で、出産に向けて体が変化する過程で生じます。

症状のピークや終わりには個人差が大きく、妊娠中期に一旦落ち着く方もいれば、出産間近まで続く方もいます。

Q2.むくみ解消のグッズ(美顔ローラーなど)は使っても問題ないですか?

美顔ローラーなどのグッズは、肌を強くこすったり、痛みを感じるほど圧迫したりしなければ、リラックス目的で使用しても問題ありません。ただし、微弱電流が流れるタイプの美顔ローラーや、電気、超音波などを用いる美顔器については、妊娠中の使用を推奨していない製品が多いため、使用前に必ず説明書を確認し、かかりつけ医に相談してください。妊娠中は肌が敏感になりやすいため、美顔器全般の使用は慎重に行うことが推奨されます。

Q3.顔以外に足や手もむくむことはありますか?

はい、顔だけでなく足や手のむくみも妊娠中によく見られる症状です。
特に重力の影響を受けやすい足は、夕方になると靴がきつく感じるなど、むくみを実感しやすい部位です。

また、指のむくみによって、それまで着けていた指輪が外しにくくなることもあり、体の変化に気づくきっかけになる場合があります。

まとめ

妊娠初期の顔のむくみは、プロゲステロンの増加や循環血液量の増加といった、赤ちゃんを育むための生理的な体の変化によって起こることがほとんどです。
塩分を控えてカリウムを摂る食事、優しいマッサージ、体を温めるといったセルフケアで緩和することが期待できます。

しかし、急激な体重増加や高血圧、頭痛などの症状を伴う場合は、妊娠高血圧症候群の可能性も考えられるため、速やかに産婦人科を受診することが重要です。
自身の体の変化を観察しながら、不安な点は医師に相談し、適切に対処していきましょう。

この記事の監修者

髙下葉月
大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。

【資格】
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー

【経歴】
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任

【SNS】
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/