腹帯(服帯)とは?妊婦はいつから?種類や選び方、メリットを解説

腹帯(服帯)とは?妊婦はいつから?種類や選び方、メリットを解説します。

「腹帯」は妊婦さんがお腹に巻くマタニティアイテムを指し、妊婦帯とも呼ばれています。大きくなるお腹を支えて腰の負担を軽減したり、お腹を冷えから守ったりするメリットがあります。

一般的に、妊娠5ヶ月目の戌の日に安産祈願として着用を始める風習がありますが、これは着用開始時期の一つの目安です。腹帯の着用時期は妊娠初期から産後までと幅広いタイプがあります。

この記事では、腹帯をいつから着けるのか、種類別の特徴や自分に合った選び方について詳しく解説します。

腹帯(服帯)とは?妊婦さんのお腹を支える大切な帯のこと

腹帯とは、大きくなっていく妊娠中のお腹を支えるために使われる帯の総称です。
「妊婦帯」とも呼ばれ、腹部を保護し、妊婦さんの体の負担を軽減する目的で着用されます。

その効果は、腰痛の緩和や姿勢の安定、お腹の保温、外部からの衝撃緩和など多岐にわたります。
伝統的なさらし(岩田帯)のほか、現代では腹巻きタイプ、パンツタイプ、骨盤ベルトタイプなど、様々な形状や機能を持つ製品が販売されています。

腹帯と妊婦帯に明確な違いはない

「腹帯」と「妊婦帯」という言葉は、現在ではほとんど同じ意味で使われており、両者に明確な定義上の違いはありません。
一般的に、古くから安産祈願で用いられてきたさらしタイプのものを「腹帯(岩田帯)」と呼び、現代の妊婦さんのニーズに合わせて開発された、より機能的で着脱しやすいガードルやベルト、腹巻き形状のものを「妊婦帯」と呼び分ける傾向があります。

しかし、どちらも妊娠中のお腹を支え、母体を保護するという目的は共通しています。

妊婦さんが腹帯を着用する3つのメリット

妊娠中、多くの妊婦さんが腹帯を着用しますが、それには明確なメリットがあるからです。
腹帯は、単にお腹を支えるだけでなく、母体のさまざまな不調を和らげ、快適なマタニティライフをサポートする役割を担います。

お腹が大きくなることによる身体的な負担の軽減、冷えからの保護、そして外部からの衝撃に対する安心感など、そのメリットは多岐にわたります。
ここでは、腹帯を着用することで得られる主な3つの利点について解説します。

大きくなるお腹を支え腰の負担を軽減する

妊娠中期以降、お腹が大きくなると体の重心が前に移動し、バランスを取るために反り腰の姿勢になりがちです。
この姿勢は腰や背中の筋肉に大きな負担をかけ、腰痛の原因となります。

腹帯を着用し、下腹部からお腹をしっかりと支えることで、正しい位置で姿勢をキープしやすくなります。
これにより、骨盤が安定し、大きなお腹の重さが分散されるため、腰にかかる負担を和らげる効果が期待できます。
特に立ち仕事や長時間の歩行が多い妊婦さんにとって、腰痛対策は重要です。

お腹を温めて冷えから守る

妊娠中はホルモンバランスの変化や血行不良により、体が冷えやすくなることがあります。
特に、お腹の冷えは子宮の収縮につながる可能性も指摘されており、注意が必要です。

腹帯でお腹周りを包み込むことで、体温を逃さず保温する効果があります。
お腹が温まることで血行が促進され、母体の安心感にもつながります。
冬場の外出時はもちろん、夏場でも冷房の効いた室内で過ごす際には、腹帯を着用して冷えからお腹を守ることが大切です。

外部からの衝撃を和らげお腹を保護する

腹帯には、クッションのようにお腹を保護し、外部からの衝撃を和らげる効果もあります。
日常生活の中では、人混みで歩いているときに他の人とぶつかったり、上の子のお世話中に不意にお腹に物が当たったりと、意図しない衝撃を受ける可能性があります。

腹帯を着用していることで、こうした軽い衝撃や振動からお腹を直接守ることができます。
物理的な保護だけでなく、お腹が守られているという精神的な安心感を得られる点も、大きなメリットの一つです。

腹帯はいつからいつまで着ける?

腹帯をいつから使い始め、いつまで着用するのかは、多くの妊婦さんが抱く疑問の一つです。
着用を開始する時期には古くからの慣習があり、それを一つの目安とすることができます。
また、腹帯の役割は妊娠中だけでなく、産後も続くことがあります。

ここでは、腹帯を着用する一般的な期間について解説します。
ただし、体調やお腹の大きさには個人差があるため、自分の体に合わせることが最も重要です。

妊娠5ヶ月目の戌の日を目安に着用を始めるのが一般的

腹帯を巻き始める時期として、日本では古くから「妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日」が一般的とされています。
これは、多産でありながらお産が軽いとされる犬(戌)にあやかり、安産を願う「帯祝い」という風習に由来するものです。
この安産祈願の儀式で、さらしタイプの腹帯(岩田帯)を初めて巻きます。

医学的に必ずこの日から着けなければならないという決まりはありませんが、妊娠5ヶ月頃はお腹が目立ち始め、腰への負担を感じやすくなる時期でもあるため、着用を開始する良い目安となります。

産後の骨盤ケアとして使い続けることも可能

腹帯は妊娠中だけのアイテムではありません。
出産によって開いた骨盤を元に戻すための産後ケアとしても非常に役立ちます。
特に、骨盤ベルトタイプの腹帯は、産後の緩んだ骨盤を安定させ、腰の負担を軽減するのに適しています。

また、帝王切開で出産した場合は、術後の傷口を保護し、動いたときの痛みを和らげる目的で「術後腹帯」が使用されます。
このように、腹帯の種類によっては妊娠中から産後まで長期間にわたって活用することが可能です。

【種類別】腹帯の選び方|4つのタイプから自分に合うものを見つけよう

腹帯にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリットが異なります。
どのタイプが自分に合うかは、妊娠時期、ライフスタイル、求めるサポート力、そして個人の好みによって変わってきます。

ここでは、代表的な4種類の腹帯を紹介し、それぞれの選び方を解説します。
腹巻きタイプやパンツタイプ、骨盤ベルトタイプ、さらしタイプなど、人気の製品の中から、自分にとって最も快適で使いやすいおすすめの腹帯を見つけましょう。

腹巻きタイプ:手軽で着脱しやすい初心者向け

腹巻きタイプは、筒状の形状で、下から履くだけで簡単に着用できる手軽さが魅力です。
洋服のように着脱できるため、腹帯を初めて使う方や、強い締め付けが苦手な方におすすめ。

サポート力は他のタイプに比べて穏やかですが、お腹全体を優しく包み込み、保温や保護の役割を果たします。
就寝時やリラックスして過ごしたい時にも適しています。
上にガードルやベルトを重ねて使うこともできるため、一つ持っていると体調に合わせて調整しやすく便利です。

パンツタイプ:ショーツと一体型でずれにくい

パンツタイプの腹帯は、マタニティショーツと腹帯の機能が一体化したものです。
この種類は、ショーツの上から腹帯を巻く必要がなく、一枚で履けるため、着ぶくれせずすっきりとしたシルエットになります。

体にフィットし、日常生活で動いてもずれにくいのが大きなメリットです。
製品によっては、お腹を下から支えるサポートベルトが内蔵されているものや、骨盤をサポートする機能が付加されているものもあります。
特に、仕事などでアクティブに動くことが多い妊婦さんに適しています。

骨盤ベルトタイプ:腰をしっかりサポートしたい方向け

骨盤ベルトタイプは、骨盤周りをしっかりと固定し、腰への負担を軽減するものです。
お腹が大きくなるにつれて起こりやすい腰痛や恥骨痛に悩んでいる方には、特におすすめのタイプと言えます。
マジックテープで固定する製品が多く、その日の体調や締め付けの好みに合わせてサポート力を自由に調整できるのが特徴です。

使い方は、製品の指示に従い、骨盤の正しい位置に巻くことが重要です。
産後の骨盤ケアにも使用できるため、長期間にわたって活躍します。

さらしタイプ:フィット感を自由に調整できる伝統的な帯

さらしタイプは、長い一枚の布でできた伝統的な腹帯で、「岩田帯」とも呼ばれます。
安産祈願の際に神社で授かることも多いでしょう。
自分の体型やお腹の大きさに合わせて巻き方を工夫できるため、フィット感を細かく調整できるのが最大のメリットです。

慣れるまでは巻くのに少し手間がかかりますが、お腹をしっかりと固定できるため安定感があります。
産後は、赤ちゃんの布おむつや沐浴布、おんぶ紐などにリメイクして再利用できるという点も魅力です。
使い方は動画サイトなどで確認すると分かりやすいでしょう。

【素材・サイズ】腹帯選びで失敗しないための2つのポイント

腹帯を選ぶ際には、形状のタイプだけでなく、素材とサイズの確認も非常に重要です。
妊娠中は肌がデリケートになりがちで、お腹の大きさも日々変化していきます。

快適なマタニティライフを送るためには、肌に優しく、体の変化に対応できる製品を選ぶ必要があります。
ここでは、腹帯選びで失敗しないために押さえておきたい、素材とサイズの2つのポイントについて詳しく解説します。

肌に優しい綿や通気性の良い素材を選ぶ

妊娠中はホルモンバランスの影響で肌が敏感になりやすく、汗もかきやすくなります。
そのため、腹帯は肌に直接触れても刺激の少ない、綿(コットン)などの天然素材を中心とした製品を選ぶのがおすすめです。

特に、夏場や暖房の効いた室内で着用する場合は、汗による蒸れやかぶれを防ぐために、吸湿性や通気性に優れたメッシュ素材なども適しています。
また、腹帯はこまめな洗濯が必要になるため、乾きやすくお手入れが簡単な素材であるかも確認しておくと良いでしょう。

妊娠中のお腹の変化に対応できるサイズを選ぶ

腹帯を購入する際は、現在の体のサイズだけでなく、これからお腹がさらに大きくなることを想定してサイズを選ぶことが重要です。
妊娠週数が進むにつれて腹囲は大きく変化するため、妊娠初期にぴったりすぎるサイズを選ぶと、後期にはきつくなって使えなくなる可能性があります。

サイズ選びに迷った場合は、マジックテープで調整できるベルトタイプや、伸縮性の高い素材で作られた腹巻きタイプなどを選ぶと、長期間にわたって快適に使用できます。

腹帯(服帯)に関するよくある質問

腹帯を実際に使い始めるにあたり、さまざまな疑問が浮かぶことがあります。
例えば、寝るときはどうすれば良いのか、洗い替えは何枚必要なのか、暑い夏でも着けるべきなのか、といった点です。

ここでは、多くの妊婦さんが抱える腹帯に関するよくある質問とその回答をまとめました。
これらの情報を参考に、より快適に腹帯を活用してください。

Q1.寝るときも腹帯はつけたほうがいい?

就寝中は体をリラックスさせることが最も大切なので、基本的には腹帯を外すことをおすすめします。

ただし、寝返りを打つのがつらい、お腹の重みで寝苦しいなど、着用していた方が楽に感じる場合は、締め付けの少ない腹巻きタイプや、サポート力が穏やかなものを選んで着用しても問題ありません。

Q2.腹帯は何枚くらい用意すればいい?

腹帯は肌に直接触れることも多いため、こまめな洗濯が必要です。
そのため、洗い替え用として2〜3枚用意しておくと安心です。

特に汗をかきやすい夏場や、毎日着用したい場合は、洗濯の頻度を考えて少し多めに準備しておくと良いでしょう。
腹巻きタイプとベルトタイプなど、用途に合わせて異なる種類を揃えるのもおすすめです。

Q3.夏場でも腹帯は着けたほうがいい?

夏場でも、大きなお腹を支えて腰痛を軽減したり、冷房によるお腹の冷えを防いだりするために、腹帯の着用はおすすめです。
汗で肌がかぶれたり、あせもができたりするのを防ぐため、通気性や吸湿性に優れたコットンやメッシュ素材の製品を選びましょう。

こまめに着替えて清潔を保つことも大切です。

まとめ

腹帯は、大きくなるお腹を支えて腰痛を軽減したり、お腹を保温保護したりと、妊娠中の女性にとって多くのメリットがあるアイテムです。
着用を開始する時期は、伝統的に妊娠5ヶ月目の戌の日が目安とされています。

腹帯には、手軽な腹巻きタイプ、ずれにくいパンツタイプ、サポート力の高い骨盤ベルトタイプ、伝統的なさらしタイプなど、人気の種類が複数あります。
自分の体調やライフスタイルに合ったおすすめのタイプを見つけ、素材やサイズも考慮して選ぶことが、快適なマタニティライフにつながります。

この記事の監修者

髙下葉月
大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。

【資格】
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー

【経歴】
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任

【SNS】
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/