五十肩の治し方|自宅でできるツボの位置と正しい押し方を解説

五十肩による腕の痛みや動かしにくさは、日常生活に大きな支障をきたします。
この記事では、つらい症状を和らげるため、自宅で手軽に実践できる五十肩の治し方として、効果が期待できるツボの位置と正しい押し方を詳しく解説します。
症状の段階に合わせた適切なツボ押しで、痛みの緩和と可動域の改善を目指しましょう。
五十肩のツボ押しを始める前に知っておきたいこと
五十肩のセルフケアとしてツボ押しは有効ですが、やみくもに行うと症状を悪化させる可能性があります。
まずは五十肩がどのような状態なのかを正しく理解し、ご自身の症状がツボ押しをしても良い時期なのかを見極めることが重要です。
安全かつ効果的にケアを行うために、基本的な知識と注意点を確認していきましょう。
そもそも五十肩とは?肩関節周りの炎症で起こる痛み
五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患です。
その名の通り、肩関節の周辺にある組織が炎症を起こし、「腕が上がらない」「夜中に痛む」といった症状が現れます。
主に40代から50代に多く発症するため五十肩と呼ばれますが、同様の症状が40代で起きた場合は四十肩と呼ぶこともあり、両者は基本的に同じものを指します。
加齢に伴い肩関節の組織が柔軟性を失うことなどが原因と考えられています。
【まずは確認】ツボ押しで症状が悪化するケースとは?
五十肩の症状の中でも、特に痛みが激しい「急性期(炎症期)」にツボ押しを行うのは避けるべきです。
この時期は肩関節で強い炎症が起きており、無理に押したり動かしたりすると炎症を助長し、かえって痛みが悪化する恐れがあります。
肩を動かさなくてもズキズキと痛む、熱を持っている、腫れているといった症状がある場合は、ツボ押しは中断し、まずは安静を心がけましょう。
ツボ押しはいつから始める?症状の時期を見極めるのが重要
ツボ押しを始めるのに最適なのは、激しい痛みが少し落ち着いてくる「慢性期(拘縮期)」です。
この時期は、炎症期のような鋭い痛みは和らぎますが、肩関節が固まって動きの範囲が狭くなるのが特徴です。
ズキズキとした痛みが、動かした時のつっぱるような痛みに変わってきたら、ツボ押しや軽いストレッチを始めるサインと捉えられます。
症状の時期を正しく見極めることが、効果的なセルフケアにつながります。
【症状・部位別】五十肩の緩和に効果が期待できるツボ
五十肩の症状に有効とされるツボは、肩周りだけでなく、手や足など全身に点在しています。
ここでは「腕を上げるのがつらい」「夜間痛がひどい」といった具体的な症状や、痛む部位に合わせて、効果が期待できるツボを厳選して紹介します。
ご自身の症状に合ったツボを見つけて、試してみてください。
腕を上げるのがつらい時に試したい肩周りのツボ3選
腕を上げる動作で痛みを感じる場合には、肩関節に直接アプローチできるツボが有効です。
肩髃(けんぐう):腕を水平に上げたときに、肩の先にできるくぼみにあります。
肩関節の動きをスムーズにする効果が期待できます。
肩井(けんせい):首の付け根と肩先を結んだ線の中央あたりに位置します。
肩周りの血行を促進し、筋肉のこわばりを和らげます。
中府(ちゅうふ):鎖骨の外側のくぼみから指1本分下にあります。
腕の付け根の痛みや、胸側の筋肉の緊張をほぐすのに役立ちます。
肩から離れていても効く!腕や手にある特効ツボ3選
肩から離れた腕や手にも、五十肩の症状を緩和する重要なツボがあります。
これらは経絡というエネルギーの通り道で肩と繋がっているとされています。
合谷:手の甲で、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにあります。
痛みを和らげる効果が高い万能のツボとして知られています。
陽池:手の甲側で、手首のしわの中央あたりにあります。
手首や腕の血行を改善し、肩への負担を軽減します。
手三里:肘を曲げたときにできるシワの外側から、指3本分ほど手首側にあるツボです。
腕の疲れを取り、肩の痛みを和らげます。
寝返りで目が覚める夜間痛には背中や足のツボ
夜間に痛みが強くなる五十肩の夜間痛には、全身の血行を促し、筋肉の緊張を緩和する背中や足のツボが効果的です。
天宗:肩甲骨のほぼ中央にあるくぼみです。
肩甲骨周りの筋肉をほぐし、肩への血流を改善します。
自分では押しにくいため、テニスボールなどを利用すると良いでしょう。
条口:膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみから、すねの骨に沿って指4本分ほど下にあります。
肩の痛みに効果があるとされる足の特効穴として知られています。
膏肓:肩甲骨の内側で、背骨から指4本分ほど外側にあります。
肩甲骨の動きを良くし、肩こりや背中の張りを和らげます。
自宅で簡単!五十肩に効くツボの正しい押し方
ツボ押しの効果を最大限に引き出すには、正しい方法で刺激することが不可欠です。
やみくもに強く押すだけのマッサージでは、かえって筋肉を傷つけることもあります。
ここでは、誰でも自宅で簡単に実践できる、効果的なツボの押し方の基本ポイントを3つに分けて解説します。
指の腹で「痛気持ちいい」と感じる強さで刺激する
ツボを押す際は、親指や人差し指の腹を使いましょう。
爪を立てて皮膚を傷つけないように注意が必要です。
強さは、「痛い」と感じるほど強く押すのではなく、「痛いけれど気持ちいい」と感じる程度が最適です。
強すぎる刺激は防御反応で筋肉を硬直させ、逆効果になることがあります。
心地よい圧で、じっくりと刺激を加えましょう。
息を吐きながら5秒かけて押し、ゆっくり離すのがコツ
ツボを押すときは呼吸を止めず、リラックスして行うことが大切です。
まず、ゆっくりと息を吐きながら5秒ほどかけてツボに圧を加えていきます。
そして、圧を保ったまま数秒キープし、今度は息を吸いながらゆっくりと力を抜いてください。
この一連の動作を1セットとして、数回繰り返します。
呼吸と合わせることで、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
お風呂上がりなど体が温まっている時がベストタイミング
ツボ押しは、体が温まって血行が促進されている時に行うとより効果的です。
特におすすめなのが、お風呂上がりのリラックスした時間です。
筋肉や関節が温まって柔らかくなっているため、ツボへの刺激が深部まで届きやすくなります。
また、就寝前に行うと、痛みが和らぎ、睡眠の質を高める効果も期待できます。
逆に、運動直後や飲酒後は避けましょう。
ツボ押しの効果を高めるセルフケア
五十肩の症状改善には、ツボ押しと他のセルフケアを組み合わせることが有効です。
ツボ押しで血行を良くしたうえで、簡単な運動や体を温める習慣を取り入れると、より効果的に肩の可動域を広げ、痛みを和らげることが可能です。
ここでは、手軽に始められる2つのケアを紹介します。
固まった肩の可動域を広げる振り子運動とストレッチ
痛みが少し和らいだ慢性期には、固まった肩関節の可動域を広げるための軽い運動を取り入れましょう。
代表的なものに「振り子運動」があります。
痛くない方の手でテーブルなどに寄りかかり、上半身を前に倒して、痛い方の腕をだらりと下げます。
そして、体の反動を使って腕を前後左右に小さく振ったり、円を描くように回したりします。
決して無理はせず、痛みのない範囲でゆっくり行うストレッチが重要です。
カイロや蒸しタオルで肩周りを温めて血行を促す
肩周りを温めることは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげるのに非常に効果的です。
入浴で湯船にしっかり浸かるのが理想ですが、日中は使い捨てカイロを衣類の上から貼ったり、濡らしたタオルを電子レンジで温めて蒸しタオルを作ったりして、痛む部分を温めるのも良い方法です。
温めることで血流が良くなり、痛みの原因物質が排出されやすくなります。
ただし、熱感がある急性期は温めず、冷やす方が適しています。
こんな場合は要注意!ツボ押しを中断すべきサイン
セルフケアは有効ですが、万能ではありません。
症状が悪化したり、改善が見られなかったりする場合には、自己判断で続けるのは危険です。
ここでは、ツボ押しなどのセルフケアを中断し、速やかに医療機関を受診すべきサインについて解説します。
ツボを押した後に痛みが強くなったり腫れたりした時
正しい方法でツボ押しを行っても、押した後に痛みが以前より強くなったり、腫れや熱感、赤みが出たりした場合は、ただちに中止してください。
刺激が強すぎたか、もしくはまだ炎症が治まっていない急性期である可能性が考えられます。
症状が悪化しているサインなので、無理に続けず、肩を安静にして様子を見ましょう。
痛みが引かない場合は、医療機関の受診を検討する必要があります。
2週間セルフケアを続けても症状が改善しない場合
ツボ押しやストレッチなどのセルフケアを2週間ほど続けても、痛みの軽減や可動域の改善が全く見られない場合は、専門家への相談が必要です。
五十肩ではなく、腱板断裂など他の疾患が隠れている可能性もあります。
まずは整形外科を受診し、正確な診断を受けることが重要です。
その上で、医師の指示に従い、理学療法や、東洋医学的なアプローチである鍼治療などを検討するのも一つの方法です。
五十肩のツボに関するよくある質問
ここでは、五十肩のツボに関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
ツボ押しの効果や実践方法について、さらに理解を深めていきましょう。
Q1. なぜ肩から離れた手のツボが五十肩に効くのですか?
東洋医学では、全身に「経絡」というエネルギーの通り道が張り巡らされていると考えられています。
肩の痛みに関連する経絡は腕や手まで繋がっているため、離れた場所にあるツボを刺激することで、経絡を通じて肩の気血の流れが改善され、痛みが緩和されるのです。
Q2. ツボ押しは1日に何回くらい行うのが効果的ですか?
1日2回程度、朝と就寝前に行うのが良いとされています。
回数よりも、一度に長時間やりすぎず、「心地よい」と感じる程度の刺激で、1つのツボにつき1〜3分程度を目安に、毎日継続することが大切です。
痛みを感じる場合は無理に行わないでください。
Q3. 五十肩の痛みを予防するために日頃から押しておくと良いツボはありますか?
五十肩の予防には、肩周りの血行を良くしておくことが重要です。
首と肩の付け根にある「肩井」や、万能のツボである手の「合谷」などを日頃から刺激すると、筋肉の緊張がほぐれ、血行促進に繋がります。
定期的なケアが予防に効果的です。
まとめ
五十肩の痛みを緩和するために、ツボ押しは自宅で手軽にできるセルフケアの一つです。
効果を出すためには、痛みが激しい急性期を避け、慢性期に「痛気持ちいい」と感じる強さで正しく刺激することが求められます。
ストレッチや体を温めるケアと組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
ただし、セルフケアを2週間続けても改善が見られない場合や、症状が悪化する際には、速やかに医療機関を受診してください。
髙下葉月 【資格】 【経歴】 【SNS】この記事の監修者

大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/)
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/








