妊娠中期のお腹の張りの原因とは?危険なサインと対処法・目安

妊娠中期のお腹の張りの原因とは?危険なサインと対処法・目安

妊娠中期に入ると、多くの妊婦さんが「お腹の張り」を経験します。
お腹の張りとは、子宮が収縮して硬くなる状態のことです。
安定期で少しずつ活動的になるこの時期、急にお腹が張ると不安に感じるかもしれません。

この記事では、妊娠中期のお腹の張りの原因とは何か、心配のいらない張りとの違いや危険なサインを見分ける目安、そして自分でできる対処法について詳しく解説します。

妊娠中期にお腹が張るのはなぜ?考えられる4つの原因

妊娠中期にお腹が張るのには、いくつかの理由があります。
妊婦さんのお腹の張りの原因は一つではなく、生理的な変化から生活習慣まで、様々な要因が考えられます。
なぜお腹が張るのか、その主な原因を理解することで、冷静に対処しやすくなります。

ここでは、妊娠中期に考えられる代表的な4つの原因について見ていきましょう。

原因①:子宮が大きくなることによる生理的な収縮

妊娠中期になると、赤ちゃんが成長するにつれて子宮も急激に大きくなります。
この子宮の筋肉が引き伸ばされる刺激によって、生理的な収縮が起こることがあります。
これは「ブラクストン・ヒックス収縮」とも呼ばれる準備収縮の一種で、妊娠期間を通じて不規則に起こるものです。

痛みはほとんどなく、しばらく休むと自然に治まるのが特徴で、多くの場合は心配ありません。

原因②:便秘による腸の圧迫

妊娠中はホルモンの影響で腸の動きが鈍くなり、便秘に悩まされる人が増えます。
大きくなった子宮が腸を圧迫することも、便秘を悪化させる一因です。
腸内に便やガスが溜まると、その刺激で子宮が収縮し、下腹部の張りとして感じられることがあります。

便秘が原因の場合、お腹の張りとともに腹部の不快感や痛みを感じることもあります。

原因③:ストレスや疲労の蓄積

精神的なストレスや身体的な疲れは、自律神経のバランスを乱し、子宮の収縮を引き起こす原因になります。

特に、仕事や家事で忙しく過ごした日の夕方から夜にかけて、疲れが溜まるとお腹が張りやすくなる傾向があります。

妊娠中はホルモンバランスの変化で心身ともにデリケートな状態にあるため、意識的に休息をとることが大切です。

原因④:体の冷えによる血行の悪化

体が冷えると血管が収縮し、全身の血行が悪くなります。
骨盤内の血流も滞りやすくなるため、子宮の筋肉が緊張して硬くなり、お腹の張りを引き起こすことがあります。
特に、夏場の冷房や冬の寒さ対策は重要です。

服装や飲み物などで体を冷やさないように工夫し、血行を良好に保つことが、張りの予防につながります。

まずはセルフチェック!心配しすぎなくて良いお腹の張りの特徴

お腹の張りを感じると、すぐに「赤ちゃんは大丈夫だろうか」と不安になるかもしれません。
しかし、すべての張りが危険なわけではなく、その多くは妊娠に伴う生理的な現象です。
まずは慌てずに、お腹の張りの程度や感覚をセルフチェックしてみましょう。

時には、自分でも気づかないうちに張っていることもあります。
心配しすぎないで良い張りの特徴を知っておきましょう。

特徴①:安静にするとすぐに治まる

動いているときに張りを感じても、椅子に座ったり横になったりして安静にすると、数分から30分程度で自然に治まる場合は、生理的な張りの可能性が高いです。
特に、歩き疲れたり、同じ姿勢を続けたりした後に起こる張りは、休むことで軽快することがほとんどです。
もし張りを感じたら、まずは一旦すべての活動を中断して体を休めるようにしてください。

特徴②:強い痛みを伴わない

お腹がキューッと硬くなる感覚や、少し突っ張る感じはあっても、強い痛みを伴わない張りは、心配ないことが多いです。
生理的な張りは、子宮が一時的に収縮しているだけで、強い下腹部痛や継続的な痛みを引き起こすことはまれです。
もし痛みの程度が軽い、または痛みはなく違和感だけという場合は、少し様子を見ても良いでしょう。

特徴③:張る間隔が不規則で続かない

心配の少ないお腹の張りは、1日に数回程度で、張りが起こる間隔もバラバラです。
例えば、午前中に一度張り、次は夕方に張るなど、規則性がなく散発的に起こるのが特徴です。

また、一度張ってもすぐに治まり、次の張りまで時間が空くなど、症状が長く続くことがなければ、生理的な現象と考えて良い場合が多いです。

こんな症状は要注意!病院に相談すべき危険なサイン

ほとんどのお腹の張りは生理的なものですが、中には切迫早産や常位胎盤早期剥離といった、すぐに対応が必要な状態のサインである可能性も潜んでいます。
ひどい腹痛や急に始まった張りなど、いつもと違うと感じる症状には注意が必要です。

子宮筋腫や子宮頸管の短縮などが影響している場合もあるため、自己判断は禁物です。
以下のような危険なサインが見られる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科に連絡し、検査を受けてください。
場合によっては入院が必要になることもあります。

サイン①:1時間に何度も繰り返し張る

安静にしていても1時間に4〜5回以上など、頻回にお腹が張る場合は注意が必要です。
また、10分〜15分おきのように、定期的・規則的に張りが続く場合も、陣痛につながる可能性があるため受診が必要です。

30分以上、短い間隔で張りが続くようなら、時間帯にかかわらず病院に連絡してください。
張りの回数を数えておくと、医師に状況を伝えやすくなります。

サイン②:安静にしても張りがおさまらない

楽な姿勢で休んでも、張りがおさまらない、またはどんどん強くなる場合は危険なサインです。
生理的な張りであれば、安静にすることで通常は和らぎます。

しかし、30分から1時間以上休んでもお腹がカチカチ、パンパンに硬い状態が続く、横になっていても長い時間張りがおさまらないといった場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

サイン③:出血や普段と違うおりものがある

お腹の張りと同時に性器からの出血が見られる場合は、少量であってもすぐに病院へ連絡してください。
また、ピンク色や茶色のおりもの、水のようにサラサラしたおりものが出る場合も注意が必要です。
後者は、赤ちゃんを包んでいる膜が破れて羊水が流れ出る「破水」の可能性があります。

普段のおりものと違うと感じたら、迷わず受診しましょう。

サイン④:生理痛のような強い痛みが続く

お腹の張りに伴って、我慢できないほどの強い痛みや、重い生理痛のような痛みが続く場合は、緊急性が高い可能性があります。
下腹部だけでなく、腰痛や背中の痛み、骨盤あたりをギューッと締め付けられるような痛みを感じる場合も注意が必要です。
このような痛みは子宮が強く収縮しているサインであり、切迫早産のリスクが考えられます。

お腹が張って苦しい…今すぐできる応急処置と対処法

危険なサインはないものの、お腹が張って苦しいと感じる時のために、自分でできる対処法を知っておくと安心です。
自己判断で市販の薬を飲んだり、強くお腹をマッサージしたりするのは避けてください。
基本は安静にすることですが、症状を和らげるためのいくつかの方法があります。

ただし、これらの対処法を試しても張りが治まらない場合は、医師に相談しましょう。
状況によっては張り止めの点滴などが必要になることもあります。

対処法①:楽な姿勢(シムスの体位)で横になって休む

お腹の張りを感じたら、まずは進行中の作業を中断し、すぐに休むことが最も重要です。
椅子に座るか、可能であれば横になるのが理想的です。
特に、体の左側を下にして横になり、上の脚(右脚)の膝を軽く曲げる「シムスの体位」は、お腹の圧迫が少なくなり、血流も妨げにくいため、妊婦さんにとって楽な姿勢とされています。

対処法②:お腹や足腰を温めて血行を良くする

体の冷えは血行不良を招き、お腹の張りの原因となります。
腹巻きやブランケット、カイロなどを使って、お腹周りや腰を優しく温めることで筋肉の緊張がほぐれ、張りが和らぐことがあります。

また、靴下やレッグウォーマーで足元を温めることも、全身の血行促進に効果的です。
温かいノンカフェインの飲み物を飲むのも良いでしょう。

対処法③:深呼吸で心と体をリラックスさせる

不安やストレスは体を緊張させ、お腹の張りを悪化させることがあります。
張りを感じたら、楽な姿勢で座るか横になり、ゆっくりと深呼吸を繰り返してみましょう。
鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出す腹式呼吸を意識することで、副交感神経が優位になり、心と体の緊張がほぐれてリラックスできます。

これにより、子宮の過度な収縮が和らぐ効果が期待できます。

お腹の張りを防ぐために日常生活で心がけたい3つのこと

お腹の張りを完全に無くすことは難しいですが、日々の生活習慣を見直すことで、張りの頻度を減らすための予防が可能です。
妊娠中の体は非常にデリケートであるため、体に負担をかけないように意識して過ごすことが、快適なマタニティライフにつながります。
ここでは、お腹の張りを防ぐために日常生活で心がけたい3つのポイントを紹介します。

予防策①:こまめな休憩を取り入れて無理をしない

疲れの蓄積は、お腹の張りの大きな原因です。
特に仕事をしている方は、長時間立ち続けたり、同じ姿勢でデスクワークをしたりしないよう、1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かすなど、こまめに休憩を挟みましょう。

家事や買い物なども一度に済ませようとせず、休みながら少しずつ進めるのが賢明です。
体に負担の少ない範囲での運動は推奨されますが、疲れたと感じる前に休むことを習慣にしてください。

予防策②:体を締め付けないゆったりとした服装を意識する

ウエスト部分がタイトな服や、体を締め付ける下着は、血行を悪くしてお腹の張りを誘発する原因になります。
お腹周りを圧迫しない、ゆったりとしたデザインのマタニティウェアやワンピースを選びましょう。
伸縮性のある素材や、ウエストが調節できるボトムスなどを活用し、体がリラックスできる服装を心がけることが大切です。

予防策③:便秘解消のために食生活を見直す

便秘は多くの妊婦さんが経験する悩みであり、お腹の張りの一因です。
便秘を予防・解消するために、食生活を見直しましょう。
こまめな水分補給を基本とし、食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻、きのこ類などを積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。

また、ヨーグルトなどの発酵食品で腸内環境を整えることも効果的です。

妊娠中期のお腹の張りに関するよくある質問

ここでは、妊娠中期のお腹の張りに関して多くの妊婦さんから寄せられる質問にお答えします。
初めての妊娠では特に、些細な変化にも不安を感じやすいものです。
他の人の体験談などを参考にしつつも、正しい知識を持つことで、落ち着いて対処できるようになります。

Q1.胎動とお腹の張りの違いがよく分かりません。どう見分ければ良いですか?

お腹の一部がポコッと動いたり蹴られたりする局所的な感覚が「胎動」で、お腹全体がキューッと硬くなるのが「お腹の張り」です。
胎動は赤ちゃんが動いているサインですが、張りは子宮全体の収縮です。

お腹に手を当ててみて、全体が均一に硬くなる感じがあれば、それは張りの可能性が高いでしょう。

Q2.立ち仕事をしているのですが、どのくらい張ったら休んだ方が良いのでしょうか?

回数にかかわらず、お腹が張っている、または違和感があると感じたらすぐに座って休むのが目安です。
仕事でなかなか休めない状況かもしれませんが、短時間でも休憩することが重要です。

もし頻繁に張るようなら、体の負担を減らせるよう職場に相談したり、医師に母性健康管理指導事項連絡カードの記入を依頼したりすることも検討してください。

Q3.お腹の張りを記録するアプリなどを使った方が良いですか?

張りの頻度や間隔、痛みの有無などが気になる場合は、記録することをおすすめします。
いつ、どのような状況で、どのくらいの時間張ったかを記録しておくと、診察の際に医師へ具体的な状況を正確に伝えられ、的確な診断の助けになります。

専用アプリのほか、手帳やメモ帳など使いやすい方法で記録しておくと良いでしょう。

まとめ

妊娠中期のお腹の張りには、子宮の成長に伴う生理的なものから、疲労や便秘、体の冷えが原因のものまで様々です。
安静にすることで治まり、痛みを伴わない不規則な張りであれば、多くの場合心配はいりません。

しかし、1時間に何度も規則的に張る、安静にしても治まらない、強い痛みや出血を伴うといった症状は、切迫早産のサインである可能性があります。
日頃から無理をせず、体を温め、便秘を予防するなどのセルフケアを心がけ、少しでも異変を感じた場合は自己判断せず、かかりつけの産婦人科に相談してください。


 
大島はり灸院は完全予約制です。

この記事の監修者

髙下葉月
大島はり灸院 院長。
呉竹鍼灸柔整専門学校卒業。
高校卒業後から5年間、鍼灸院・介護施設にて臨床経験を積む。
資格取得後は本八幡鍼灸院に入社し、2022年に系列院である大島はり灸院の院長に就任。
現在は妊娠中・産後ケアを中心に、逆子・マタニティ腰痛・肩こり・頭痛・むくみなど幅広い不調に対応している。

【資格】
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、トコちゃんベルトアドバイザー

【経歴】
呉竹鍼灸柔整専門学校 卒業(https://www.kuretake.ac.jp/
本八幡鍼灸院入社
大島はり灸院院長就任

【SNS】
インスタグラム:https://www.instagram.com/oojimaharikyuin/?hl=ja
アメーバブログ:https://ameblo.jp/oojima-harikyu/